彼のセリフシリーズ

□あんな退屈な奴やめて俺にしなよ
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お風呂上がりに炭酸水を無理矢理飲み干して、今日は疲れたとぐったりイスに座り込んだ。花瓶の中の花はだいぶ減って、まだ綺麗に咲いているのはもう三本だけだった。

シャルはどういうつもりなんだろう。私のことを本当に好きだとは思えない。からかって、楽しんでいるだけな気がする。
でも、シャルに傷つけられたことは一度もない。だから、私が本当に嫌がることはしないと思ってるんだけど…

そこまで考えて、携帯が鳴っていることに気づいた。彼からかもしれないと急いで手に取る。

「もしもしっ?」
「どうしたの?随分慌ててるみたいだけど」

つい一時間前に別れたばかりのシャルの声に、思わず脱力した。彼だったらよかったのに。

「俺の方がいいって気づいた?」
「…何言ってるの」

不機嫌な声を出してしまったけど、シャルは全く気にせずにまた小さく笑う。

「あんな退屈な奴やめて俺にしなよ」

爽やかな、楽しそうな声。いい加減、我慢の限界だった。

「冗談はもうやめて。からかうなら他の人にしてよ」

思った以上に、きつい口調で言ってしまった。ずっと一緒だったシャルを傷つけたくなんかないのに。

「…冗談なわけないだろ」

さっきとはうって変わって低い、少し怒った声に、怖くなって電話を切った。小刻みに震える手。

どうか心は震えないで。
 

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