tesoro mio

□tesoro mio3
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寝心地がいいとはとても言えないぼろぼろのソファで私は寝かせてもらって、朝体中が痛くて帰ればよかったと後悔した。特に手伝えることもないみたいだし。

床に毛布だけ敷いて寝ているゴンとキルアの寝相の悪さは今日も健在で、お互いに殴ったり蹴ったりしているのはどうやら日課らしい。

こうして寝顔だけ見るとまだまだ子どもなんだけどな。

昨日キルアにほっぺにキスされたのは、その場では全然気にしていないようにしたけど、やっぱりどうしたって気にする。前に好きだってキルアは言ってくれたけど、今もそうなのかは分からない。
もしそうだとしても私はまだお兄ちゃんが好きで、だとしたら気にしないのがいいのかもしれない。

キルアのことをソファの上からじっと見つめる。ふわふわの髪に幼い顔。子どもらしくない、鍛えられた体。悲しいとき、何回も支えてくれた腕。
まつげ長いな、なんて思いながら眺めていたら、ぱちっとその目が開かれる。

「きゃ…びっくりした…」
「…おまえか…なんだよ」
「なんだと言われても…なにもないんだけど…」
「…なんでじろじろ見てたんだよ」
「え…」

起き上がったキルアが隣に座って、狭いソファでやけに近く感じる。さっきまでキルアのこと考えてたから、この距離はちょっと困る。そう思って少しだけ間をあけた。

「なんだよ。怒ってねーからちゃんと言えよ。あとそーゆーことすんな」

どうしよう。キルアって私のことまだ好きなの?なんて言えるわけないし。でもなにか言わないとキルアはなんか機嫌悪いし。

「えっと…ね、寝顔はかわいいなって…思っただけで…」

えへへと笑いながらキルアを見ると、余計不機嫌になってる。

「かわいくねーよ、ふざけんな」

おまえさ、そう言いながら詰め寄って来られてソファに背中から倒される。顔の横に手をつかれて、キルアに真上から見下ろされる。

「き、キルア…」
「おまえ、俺が男だって分かってんの?」

頬に手をそえられて、それだけで心臓が跳ねてつい身を縮ませた。

「…なにしてんの?」

声のした方に顔を向けると、いつの間にか起きていたゴンが眉間にしわを寄せていた。

「ゴン!キルアにおそわれる!助けて!」
「はあ!?」

キルアを一方的な悪者に仕立て上げて私はゴンを味方にしようとした。ゴンはきっと私を守ってくれるはず…!

「え、キルアほんと?」
「なわけねーだろ!」

作戦はいとも簡単に失敗に終わった。しかもそのあとゴンに、冗談でもあーゆーことは言っちゃだめだよ、と怒られた。今日は朝からついてない。
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