tesoro mio
□tesoro mio2
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「寝ちまったな」
レオリオのシャツをつかんだまま寝てしまった○○を、レオリオは片腕で支えるように抱きとめた。
「生き別れになった兄貴でもいんのかね?」
「どうだろうな」
ゼパイルがブランケットを○○にかけて、二人はそれ以上その話を掘り下げずに再度酒盛りを始めた。酒の空ビンがそこら中に転がり始めた頃、ゴンとキルアが帰って来た。
「おー、遅かったな!」
「この部屋くさいよ、レオリオ!」
「…レオリオ」
「あ?なんだ、キルア」
ブランケットの中を一瞥してキルアはレオリオの頭をすこんと殴った。
「ってー!なにすんだ!」
「○○になにしてんだ、このエロおやじ」
「なんもしてねーよ!話を聞け!」
シャツをつかんだままの○○の手をはがして、キルアは○○をレオリオからすぐに取り上げた。
「あのな!俺がやったんじゃねーからな!」
「信じられっか!」
「まぁまぁ、キルア」
「おい、レオリオの言ってることはホントだぞ。それよりこの子には兄貴がいるのか?」
ゼパイルの言葉にゴンもキルアも一瞬固まる。場に凍った沈黙がわずかに流れた。
「○○が話したの?ウイングさんのこと」
「ウイング?いや、俺が○○は妹みてーだなって言ったら、突然泣き出しちまったんだ。お兄ちゃんて言いながらな」
キルアの腕の中ですやすや眠る○○の頬に残る涙のあとを、ゴンはなぞった。
「…寝かしてくる」
「うん、分かった」
寝室の自分のベッドにキルアは○○を寝かせた。○○の左手の薬指に光る指輪にそっと触れる。
「まだ…あいつが好きなんだな」