my dear
□my dear
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乱暴に閉められたドアに、気分が沈んだ。キルア、まだ怒ってるんだ。それもかなり。
「ゴン、ごめん…」
「え?」
「昨日キルア怒らせちゃって…まだ怒ってるみたい」
「そうなの?」
ゴンにまで嫌な思いをさせてしまった。さすがにゴンに怒ってないよね?私と一緒にいるってだけでイヤとかないよね…。なんか悲しくなってきた。
「キルアはなんで怒ってるの?」
澄んだきれいな目で問いかけられる。
「それが…なんでか分からなくて。謝ったら、さらに怒ってたんだ…。」
「うーん。…なにしてるときに怒っちゃったの?」
「えっと…ただおしゃべりしてただけなんだけど…」
結局ゴンにすっかり全部話した。ヒソカさんのこと。注意されたこと。酔っぱらってお兄ちゃんの宿に泊まったこと。なんで謝るんだ、と怒られたこと。
「そっか…」
「私、なにかひどいことしてる?」
「うーん。…そうだね、どうしようか」
「…え!?なんでかわかったの!?」
「うん、たぶん」
なんだ!やっぱり最初からゴンに相談してれば良かったんだ!
「おしえて!」
「えっと…教えられない、かな」
「…なんで?」
困ったように頬を指先で掻いて、小さく息をすいこむゴン。
「やっぱさ、○○が自分で気づかなきゃいけないと思うんだ」
ゴンを見つめて、自分がとても小さく感じた。ゴンの言うとおりだ。
「…うん。そうだね。ごめんなさい」
「!謝るようなことじゃないよ。」
ふわりと頭をなでられて、単純だけど嬉しくて顔を上げると、ゴンが手を引っ込めた。
「あ…ごはん!ごはん食べ行こ!」
「?…うん」