my dear

□my dear
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あったかい。抱き枕ってこんなにあったかいものだっけ。気持ちがよくて、目があけられない。もうちょっとだけ…。ぼんやりと覚醒した意識をもう一度手放す。なんだかひどく安心した。


コンコン

コンコンコン


…だれだろう。…ああ、でもむりそう。ぽかぽかしてとても起きれそうにない。ごめんね、だれかさん。

「んー…?」

すぐそばで小さい声がする。なんで?…なんでもいいや。あったかい。



「…○○?」

あれ?なんで○○がいるんだっけ?…思い出した!昨日遊びに来てそのままソファで寝ちゃったんだった。起こしても起きなくて、ベッドに一緒に寝たんだ。まぁ、いっか。
でも、なんで腕枕なんかしてるんだろ?

コンコン…コンコン…

「おーい、ゴン!寝てんのかー?」

ドアの向こうでキルアが大きな声で呼び掛けているのが聞こえる。寝坊しちゃったんだ!
飛び起きようとして、腕、というか肩の上に○○の頭があることに気づいてそっとずらす。離れると一瞬さびしげな顔をして、服をつかまれる。困ったな。
そっと、捕まれた手を優しく外す。ぎゅっと握ってあげて、包むようにベッドにおろした。…うん、大丈夫そう。

急いでドアを開けると、キルアが腰に手をおいてあきれたような顔でため息をついていた。

「ごめん…。ちょっと昨日夜更かししちゃって」
「いいけど。めし食い行こうぜ。腹へった」
「うん!行こ行こ!…っと、ちょっと待って」
「?」

いけね。○○がいるんだった。一応、起こしてみよう。意味ない気がするけど。

「○○…、○○。」
「…ん」

軽く肩をゆすると、目を擦りながら気だるそうに上半身をおこした。

「おはよ、○○」
「ゴン?…おはよー」

すぐに思い出したようで、笑顔で返事が返ってきた。

「今からごはん食べに行くけど、○○も行く?」
「ごはん!行く行く!」

寝起きが良いようで、なに食べようかな?と楽しそうに話しかけてくる。談笑しながらキルアに目をむけると、開け放されたドアのそばで、茫然としている。

「キルア?○○起きたから、三人で行こ!」

はっとして目があったキルアの顔が、どんどん不機嫌になっていく。

「行かねーよ!…じゃあな」

バタン!と派手にドアが閉められる。
えー!?さっき行こうって言ってたのに!
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