my dear

□my dear
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○○の部屋を出て、キルアと一緒に自分の部屋に戻った。キルアが何も言わないから、自分から話す。

「なにがあったのか言ってくれなかったね、○○」
「…気になるのか?」
「そりゃ気になるよ!あんな泣きはらした目してるんだもん」
「まぁ、なんか隠してるだろーな」
「…やっぱそーなのかな」

そうだろとため息をつくように言って、キルアが椅子にかけたままテーブルに足をのせる。

「言えないのか言いたくないのか、もしかしたら両方かもしんねーけど、とにかく今は話す気ないんだろ」
「そっか…」

修行は明日からだと言っていた。明日もあんなふうに目をはらして悲しい笑顔で、なんでもないと言うんだろうか。それだけはいやだと思う。

「俺、あんな悲しい顔の○○見たくない」

キルアが少しきょとんとした顔をして、小さくため息をついた。

「おまえさ、○○の修行中にウイングのとこ行けねーじゃん。」
「?うん」
「それにあの優男が、実の妹に本当にひどいことなんかするわけねーだろ」
「…ひどいことじゃなくてさ、優しいから傷つくんじゃないかな?わかんないけど。」

そっかとキルアがつぶやく。少し考えてから、ふてくされた顔で言われる。

「でも、俺は○○の修行につきそうとかぜってーやだかんな!」
「なにそれ?…ってそっか!ついてっちゃえばいいんだ!キルアさすが!」
「いや、だからぜってーやだ」
「なんで?別にいーじゃん。キルアどうせチョコロボくん食べるくらいしかやることないじゃん!」
「はあ!?おまっチョコロボくんをバカにすんな!」
「そこはどーでもいーよ!」

チョコロボくんのせいで口論が白熱する。キルアのチョコロボくんへの思いとゴンの修行につきそうのかという質問がまざって意味不明な会話になっていく。

「じゃあ、明日俺が○○の修行につきそってなんもなかったら、チョコロボくん100個買えよ!」
「ああ、いーよ!そんなの楽勝だね!」

にらみあったあと、キルアがバタン!と大きな音をたてて部屋を出ていった。
…あれ?よくよく考えると、なんか変と寝る前に気づいた。
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