tesoro mio

□tesoro mio17
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青すぎる海と潮風に吹かれるキルアがあまりにもかっこよくて、デッキで海を眺めた時間は10分にも満たなかった。べたべた人目なんか全く気にせずにくっつく私に最初キルアは怒ったけど、好きだからくっつきたいのと素直に伝えたら、一瞬驚いてすぐにキスをしてくれた。触れるだけのキスじゃまるで物足りなくて、離された唇を追いかけてキスをしたらもうだめだった。もっとたくさんキスをしたくて仕方がなくて、キルアにきつく抱きついた。もう一度キルアがキスを落としてくれたとき、キルアは私を抱き上げてデッキを後にした。



そう、ちょっとおかしいなとは思ってたんだよね。キルアって12才だよね?子どもだよね?最近の子どもは確かに情報社会に生きてて私たちの頃よりいろいろ知ってるかもしれないけど…おかしいよね…?

ベッドにぐったりと横になりながら私はそんなことを考えていた。腕枕と髪をすかれる気持ちよさにぼんやりしながら、ぽろっと特に深く考えずに口を開いた。

「キルア…」
「…ん」
「キルアって…どこでこーゆーこと覚えたの?」

髪をすく手が止まって、閉じていた目を開けると少しだけ汗ばんだキルアと目が合った。くたくたで上げるだけで重たい腕をなんとか動かして、指先でキルアの頬に触れる。

「…どうだっていいだろ、そんなこと気にすんな」
「え…余計気になるよ…、まさかすごい過去があるんじゃ…」
「ねーよ、変な想像すんな」

それだけ言うとまた髪をすき始めるキルアはそれ以上話す気がない。私が髪を触られるのが気持ちよくて好きで、すぐに寝ちゃうのを知っててされてる気分。気になる。

キルアの唇に指先を這わせると、ほんの少しだけどキルアは眉を寄せた。そっと唇を合わせて、すぐに舌を入れた。驚いて逃げようとする舌を捕まえて絡ませると、私の下腹部にあたっているキルアのそれがすぐに反応する。

「ん…おしえて…」
「…っ、やめろ」

手で包むだけでさっき出したばかりなのに大きくなるそれは刺激を求めて震えてる。言われた通りすぐに手を離せば、キルアは苦しそうに顔を歪めた。

「ね、教えて…気になるもん」
「…おまえ、そんなにひどくされたいわけ?」

いじめてるのは私のはずなのに、あっという間に立場が逆転しちゃうのは一体なぜ?
私の上にかぶさるキルアは私よりもずっと上手く舌を絡ませてくる。気持ちよくて体から力が抜けるのと一緒に、頭が思考力を手離そうとしていてとっさにキルアの胸を押した。

「ん…きるあ…」
「抵抗すんな…そーゆー顔見ると余計ひどくしたくなんだよ」

え、なにそれ、ドSなの。



「うー…キルアのばか…」
「おまえが悪いんだろ。反省しろよ」

じんじん痛む腰をさすりながら、何かがおかしいと心の中だけで反抗してみた。大体キルアがちゃんと答えてくれればいいだけなのに、なんで私が責められるの?なんでこんな痛くなるまでいじめられなきゃいけないの?

海、というより星空を眺めに来たデッキはやっぱり少し冷えた。薄い上着だけじゃ寒くて無意識に自分の腕を手でさすっていると、キルアが肩を抱き寄せてくれた。こういうところは本当にずるいと思う。さりげなくやさしくされるだけで、何もかも許してしまいそうになる。

「性教育があったんだよ、うちは」
「…え?」
「実際にしたわけじゃねーけど…詳しく教えられたんだよ。女に手込めにされないようにとか、逆に女を拷問にかけるときのためにとか、とにかくうちじゃ必要な教育のひとつだったんだ」

海と空の境界線は暗い夜にはあまり分からないけど、キルアはまっすぐ前を向いて境界線の辺りを見つめながら話してくれた。暗闇はたくさんのものを隠して曖昧にしてしまうけど、きらめく星はその中でこそ綺麗に現れるから余計心にひびく。

「だから、おまえとしかしたことねんだよ俺は、おまえと違って」
「…なんか急に矛先が私にきたんだけど」
「そろそろ教えろよ。ウイングとどうなったんだ」

首にかかる指輪を指先で触れる。綺麗な青。きっとこの青が心にひびかなくなる日なんて、来ない。

「大切なお兄ちゃん、なのはきっとずっとだと思う…お兄ちゃんも…」
「…」
「…でも、もう苦しくなったり切なくなったりはしないよ。…まだちょっと嫉妬とか独占欲みたいなのはあるけど…」
「要するにブラコンなんだな」

興味なさそうにふーんなんて言ってるけど、口角が上がってるのを隠せてないあたりたぶんかなり機嫌がいい。

「キルア」
「んー?」
「…もしキルアに嫌われたら、私キルアのこと呪っちゃうかも」
「は?」
「だって…こんなに好きにさせたんだもん…呪われてもキルアが悪いから仕方ないよね?」
「おまえ…もっとひどく抱かれたいわけ?」

え、なにそれ、鬼畜なの。
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