tesoro mio

□tesoro mio11
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「…やっとだー!!」
「やったね、○○!」

ゴンより一週間、キルアよりも三週間遅く、私はこの岩山のモンスターをやっとコンプリートできた。これは私のたゆまぬ努力のおかげ!とか言いたいけど、どう考えてもビスケのおかげだった。まだ二人には敵わないけど、それでもだいぶ戦闘技術は上がったからやっぱり師というものは尊ぶべきだと思う。

そうして組手や念の系統別の修行が加わってから少しして、ゴンが自分の必殺技にじゃんけんを応用したいという話になった。フィーリングが大事だというビスケにキルアもバチバチと電気を手から出して、私はかなりびっくりした。念てほんとすごい。いや、この場合はキルアがすごいのか?

「○○は何か自分の技みたいなものはある?」

私も電気を出せるようになれるのかと考えていたら、ビスケにそう聞かれた。いや、電気は便利だよね。使い勝手が良すぎると思う。

「えーっと…一応あるにはあるんだけど…」

とりあえず全員の体を見て、誰もケガなんかしてないと確認する。うーん、痛いのはきらいなんだけど…仕方ない。
私はゲームの審査会のときと同じ要領で飴を出してから深めの傷を作って、そしてその飴を口に含んだ。

「うわあ…○○すごいや!」
「へえ、確かに○○らしいわね」

もっとほめてとゴンのそばによった私に待っていたのはビスケからの質問の嵐だった。飴の効力は口に含んでいる間ずっと続くのか、念でうけた傷や毒はどうなのか、ケガを治す以外の効果があるのか、など。ビスケに聞かれてから、私は自分が意外と大雑把にこの能力を考えたんだと気づかされて、少ししょんぼりした。

「じゃ、今日は休みにしようかしらね。ちょっと早いけどパーティーでもやる?」

…パーティー?なんだろう、ビスケの誕生日かな?いや、誕生日はちょっと早いけどとかならないか、とか考えていたら新年のお祝いだったらしい。そんなことここ何年もしてなかったからびっくり。と思ったらゴンが私よりさらにびっくりした顔でハンター試験!と叫びだした。何でもハンター試験は年一回でキルアが受けたいらしい。そう言えばゴンはハンターだけどキルアは落ちたんだっけ。

「○○も受けてきたら?キルアと一緒なら安心じゃん!」
「えっ…私も?」

ハンターかあ。うーん、確かにキルアと一緒なら心強いけど、でも足手まといになりそうだしなあ。

「それがいいわさ!○○もそこそこ強くなったし大丈夫だわさ」
「ほんと?強くなったかな?」

なったなった、とゴンとビスケが二人揃って首を縦に振る。二人がこうして言ってくれるなら…!と安易な考えで私は決意をした。

「うん、じゃあ私も受けてくるー!」
「…は?なに、本当におまえも受けんの?」
「え、だめ?」

予想外に機嫌の悪くなったキルアにびくつくと、だめなんて言ってねーだろとさらにキルアは機嫌が悪くなった。キルアの考えてることは本当に全くよく分からない。
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