黒バス×陰陽師

□プロローグ〜始まりは突然に〜
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いつも通りの、なんの変哲もない普通の一日になるはずだった。


彼らがボクの前に現れるまでは…



「本当にここであってるんスか〜?」

「当たり前なのだよ。確認済みだ。」

「ふーん。もし間違ってたら、その手に持ってる扇子、へし折るからな。」

「ふざけるな!これは今日のラッキーアイテムなのだよ!」

「そんなのいいからさ〜。誰かまいう棒ちょーだーい。」

「もう10本全部食ったんスか…。」

「うんー。出来ればスペシャルスパイシーチキン味ね〜。」

「あ。僕ちょうど持ってました。
どうぞ。」

「わ〜。ありがとう〜。」

「お前達。いつまでも遊んでないで、さっさと行くぞ。

…橙風 琥珀のもとに。」

そうして彼ら6人は動き出した…。


「眠いなー…。」

あくびを噛み殺しながら、少女『橙風 琥珀』は呟いた。

彼女は今、自宅でもある『華風神社』の鳥居辺りを掃除していた。

巫女服に身を纏い、オレンジ色の髪が風に揺れている。

周囲の人間から見れば、ただの女子高生にしか見えないだろう。

だが、『人間以外の者たち』から見れば、別になってくる。

例えば、茂みに隠れて様子を見ている彼らのように…。


「橙風 琥珀…。」

「可愛い子っスね!」

「そだな。胸もでかs…」

「変な事を口にするでないのだよ!!」

「あの子お菓子のいい匂いがする〜。」

「…この距離でも分かるんですね。」

茂みに隠れているからいいものの、誰かに見られていたらなんとも変わった光景だろう。

色とりどりな髪をした男子高校生が、一人の少女を見つめているのだから。

「…ん?」

ふと何かに気付いた琥珀は茂みの方に顔を向けた。

だが、何も変わった様子はない。

「…気のせいか。」

そう言って、再び掃除をする。


一方、茂みの奥では

「間一髪だったな。」

「赤司くんが指示をしてくれなければ、危うく見つかるところでしたね。」

「…勘のいい女なのだよ。」

「さすがの一言っスね!!」

「黄瀬ちんが一番見つかりそうだったよね〜。モグモグ」

「呑気にお菓子食べてる紫っちに言われたくないっスよ…。」

「ところでよぉ。いつになったらアイツに会うってゆーの、するんだ?赤司。」

「ふむ…」

赤髪に、赤と金のオッドアイの青年『赤司 征十郎』は顎に手を当てて考え始めた。

どこか胡散臭い感じの、でも高級感のある扇子という名のラッキーアイテムを片手に、眼鏡を押し上げる緑の髪の青年『緑間 真太郎』。

大好きなお菓子を次から次へと食べていく紫の髪の青年『紫原 敦』。

退屈そうにあくびをしながら、大きく伸びをする青髪の焼けた肌をした青年『青峰 大輝』。

琥珀の顔を思い出して一人ニコニコと笑っている黄色の髪に左耳にシルバーのピアスをした青年『黄瀬 涼太』。

ふと何かあるように空を見上げる水色の髪の青年『黒子 テツヤ』。

「…赤司くん。」

「どうした、テツヤ。」

黒子の声に反応して、五人が彼の方へ向いた。

それに対し、黒子も五人の方へ向く。
そして言った。

「僕たちが彼女に近付く方法…思い付きました。」
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