ダレン&デモナタ 短編

□花言葉
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 ハイバーニアスは背の高い男だった。


途方もなく背が高いため、今までほとんどの人間は見上げるだけで彼と目を合わせて話す事はなかった。
彼自身も、その事が常識とでも言うようになんら気にすることもなく生きていた。





 


 だがある時──

セミが煩く鳴く夏の日だった。





 彼女が現れた。

アロマと呼ばれるその女性は、どんなときでも彼の目を見て話しかけた。瞳の奥の奥の、
心を見て、話してくれた───



そして今、あの頃の彼女の澄んだ瞳が蘇ったかのようにハイバーニアスを見つめている。
僅かに異なることと言えば、彼女の顔が嬉しさと熱に満ちていたこと。



 

ハイバーニアスは、ミスター・トールは照れ隠しにシルクハットを深くかぶり直した。
そんな様子を見たアロマは向日葵の花で赤い顔を隠すように覆い、胸に広がる幸せを噛み締めながらにっこりと微笑んだ。




       ─fin─
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