「ねぇ、シンタローくん」
それは暑い夏のある日のこと。
「なんだよ、カノ」
何時ものようにアジトで過ごしていた時だった。
今オレとカノ以外のメンバーは出かけていて、2人きりの時間が流れていた。
「僕アイスが食べたくなってきたなー」
「はぁ?自分で買いに行けばいいじゃねーか」
「えー、シンタローくんが買ってきてよ」
「お前だけが欲しいんだから自分で買ってこい」
カノは「ええー」と、口を尖らせしぶしぶと動き出した。
「じゃあシンタローくんの分ないからね!」
「.........あぁ、いらねーよ」
本当は欲しい。
暑くて暑くて、体が冷たいものを欲していた。
だが、ああ言ってしまった以上頼めるわけがない。
「じゃあ、行ってくるね」とカノが出て行った。
「.........はぁ...」
自然とため息がこぼれていた。
「あーあ、オレもアイス欲しいって言えばよかったな...」
だが今更言っても仕方が無い。
カノがアイスを食べてるのを見て、羨ましそうにするのはプライド的に嫌なので、オレは昼寝をすることにした。
まぁ、そもそもオレにプライド何てものがあったのが驚きなのだが。
「...............」
外はアジトよりも暑くて日差しが強かったので、急いでアイスを買って来たのはいいけど...
何でこんな格好で......?
「...スー......スー......」
そこにはズボン以外の服を着ていない、ほぼ裸なシンタローくんが眠っていた。