排球

□絶対的セコム
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※ココでは菅さんがバス通学

「................はぁ」
朝練後、菅原は無意識に溜め息を吐いた。
「どうしたスガ、随分参ってるな」
「珍しいっスね、スガさんが溜め息吐くなんて」
菅原の溜め息に気づき澤村と田中が近寄ってくる。
じ、と彼らの顔を見ればあからさまに?マークを頭上に浮かべ顔を傾げる。
「............それがさ、」
再度溜め息を吐いてから菅原はこのやるせない気持ちを2人に吐き出した。




「はあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!?!?!!?」
「ちょ、しーっ!しーっ!田中バカ!声デカい!!」
「す、すんません....」
菅原の話を聞いた途端、田中が驚愕の声を上げた。
その声を聞いたからか、走りよってくる後輩を目の端に捉え、菅原は勢い良く田中の口を塞いだ。

「何かあったんすか?」
菅原達のもとにやってきた日向と影山は真っ先に澤村を見た。
「....あ、いや、えーと....」
「何でも無いべ。なっ!大地、田中?」
後輩2人に背を向け澤村と田中ににっこりと笑いかける。
その笑顔があまりにも黒いというか、何かを口走れば背後から死神でも出てきそうで澤村と田中は一言も発する事なくコクコクと頷く。
「ほら、予鈴鳴るから早く着替えろー」
菅原はなんとか誤魔化せたかな?と思いつつ日向と影山の背中を押した。
「わっやべ!」
「....」
菅原に言われ日向が走り出し、影山も日向の後に続くが、若干後ろを振り返りながら何かを言いたげに口を開いては閉じた。

菅原はどうしてもこの後輩にはバレたくなかった。
日向はもちろんだけど一番は影山。

菅原と影山は所謂恋人、という関係であり、公言はしていないものの、敏いバレー部の面々は(日向以外)気づいている。
そんな影山が、自分に起こった今朝の出来事を知れば、何と言うか........。

菅原は今朝の事を記憶から消すようにブンブンと首を振り、未だに固まっている澤村と田中の背中を叩いた。
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