排球

□“Beloved”
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影山はモテる。
ムスっとしてて眉間の皺は常に刻み込まれてるけど、顔立ちはどっから見ても格好いいの一言に尽きる。
つり目の鋭い目に見つめられれば心臓が煩く高鳴るんだ。
頭は....まあ、良くないけど、バレーの事に関しては本当に“天才”。
スポーツも出来て背も高い。

そんな影山を女子がほっとくわけ、無いだろ?
....でも、付き合ってるのは俺だから!
なんて影山が告られてる度に思うのはキリが無い。
「....あ、あの!影山くん!」
「....?何」
あぁ、ほらまた。
「す、好きです!付き合って下さい!」
最近、この場面をよく目にする気がする。

「や、無理。悪いけど....俺好きな人いるから」
「っ!?」
影山がそんな断り方をするのは初めて聞いた。
いや、俺が遭遇していない告白の場面で何度か言ってるのかもしれないけど、俺が聞くのは初めてで。
影山の断り文句は大体いつも「今はバレーに集中したいから」。
俺らの事なんか公に言えないのは分かってる。
好きな人って....俺、かな....?
....だと良いな。
付き合ってるのは俺なのに、影山が告られてるのを見かける度に、不安になってくんだ。

ねぇ影山、後悔してない?
俺と付き合ったこと。
やっぱり女の子の方が良い、かな....。
....ネガティブ思考になるな。
影山はちゃんと俺の事好きでいてくれてる。

好き、好きだよ....影山。
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