排球

□最近の。
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最近、菅原さんが少しおかしい。

「菅原さん」

「うわぁっ影山!?わ、わり、どうした?」

「いや、さっきの「すっがわっらさーん!」」

「わ、悪い影山、日向に呼ばれたから行くな」

「あ、ちょっと!」

言うが早いか菅原さんはそそくさと走り去ってしまった。

伸ばした手を降ろしハァとため息を吐く。

ここ一週間、ずっとこんな調子だ。

俺が話しかけるとビクっと肩を揺らし、何かに理由をつけて走り去る。

何なんだ。俺何かした?

丁度一週間前...は確か部活が休みで菅原さんには会ってないハズだし、余計何かをした覚えなんかない。

「集合ー!」

「アす!!」

*
「なぁ影山」

「はい?」

体育館のモップがけが終わって倉庫にモップを片付けていれば、西谷さんに声をかけられる。

「お前最近、スガさんと話してねぇよな」

「!」

「うおっ!?あぶねっ!」

何の気なしに言われた言葉に持っていたモップをバラバラと取り落としてしまう。

動揺しすぎだ!

「おいおい大丈夫か気ィつけろよー?で?何で?なーんかスガさん最近お前を避けてるっつーか、怯えてる?何かしたのか?」

「してません!......いや、俺もよくわかんなくて、急にあんな感じなったから...俺も今何かしたのか?って考えてたんですけど...」

「ふーん...?じゃあ影山は心当たり無いのか」

「はい...」

西谷さんが言った“怯えてる”って表現に多少凹む。

自分ではそう思いたくなかったから。

他人から言われると、あぁ、やっぱそんなんだって。

あーーー!こんなウジウジしてる自分に腹立つ!!!

分かんねぇなら聞きゃあいい!

謎は解く為にある!!(?)

「うおっ影山!?」

西谷さんが持っていたモップも奪い、手早く全部のモップを片付けて部室まで全力疾走する。

バン!!とデカい音を立てて部室の扉を開く。

「ど、どうしたんだ?影山」

「オイコラ影山、部室の扉壊れたらどうしてくれんだアァン!?」

「こら田中」

俺のあまりの勢いに驚いたのか、皆に一斉に注目された。

その中には菅原さんもいたけど、すぐにパッと視線を逸らされる。

俺は田中さんや主将に耳も向けずつかつかと菅原さんのもとまで歩み寄る。

ロッカーの方を向き、制服を羽織っている菅原さん。

白い肌に視線を持ってかれ───ってそうじゃねぇ!

「菅原さん」

「っ!?か、かげ、やま?び、ビックリしたー」

取り繕うように笑う菅原さんにまた凹む。
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