排球

□この腕に
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外に出れば、びっくりするくらい空が曇っていた。

今の時期、部活が終わる頃には見えていた月や星々は、灰色のペンキで塗りつぶされたようにその姿を隠している。

「うわ、暗っ!」

後方から駆けてきた日向は外を見て嘆いた。

「雨降ってんじゃーん...俺傘持って来てな...って影山持って来てたのかよ!?」

黒い傘をパン、と開きながら当たり前だ、と日向に返す。

「今日降水確率80パーつってたべ?日向、朝からテレビ見なかったんかー?」

「あっ菅原さん!」

反射的に後ろを振り向けば、そこには菅原さんと主将がいた。

泣きつくように菅原さんの元に駆け寄った日向に、何故か腹立たしさを感じる。

「仕方ない、俺の傘入んな」

「えっ!良いんですかっ!?」

菅原さんはにこやかに笑って日向の為に傘を傾ける。

それにも何故かイライラ。

じっと見ていれば日向と目があった。

そして何を思ったかニヤニヤと気持ち悪く笑いながら日向が菅原さんに寄る。

「良いだろー羨ましいか影山!」

「あぁ?何がだよ」

日向の意味不明な言葉に眉間の皺を深くする。

「菅原さんと相合傘!」

「くだらねぇこと言ってんな」

「内心羨ましいくせにー影山は素直じゃないからなー」

「こらこら、男と相合傘とか羨ましがる要素どこもないって」

唇を尖らせる日向に菅原さんが苦笑する。

「そんな事ないですって!俺嬉しーですもん!」

「はは、サンキュ、日向」

あぁ、イライラする。

何気ない、いつも見る光景なのに。

菅原さんに頭を撫でられてへらへら笑ってる日向にイライラが募る。

どうしたんだ俺。

「つかてめぇ菅原さんに礼くらい言ったらどうだ。迷惑かけんだぞ」

「はっ!す、菅原さん!あざっす!ご迷惑おかけしますっ!!」

「え、いやいーっていーって!」

勢い良く頭を下げた日向に菅原さんは困ったように慌ててる。

「お前等、いつまで話してんの。早くしないと学校閉められるぞ」

主将に外から声をかけられ、俺達は急いで学校から出た。
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