進撃の巨人

□自分の翼5
1ページ/4ページ




こんな日がくる事を誰が予想してた?



あ、エレンは前から言ってたよね



いつ壁が破壊されるか分からない
壁を上って巨人が現れるかもしるないって


エレンには分かってたんだね











薪拾いの帰りに調査兵団が帰って来て
エレンとミカサとで見ていると
血だらけの変わり果てた人達が列を作り歩いている

荷馬車には複数の死体が載せられているようだ

周りの人達は調査兵団へ向ける言葉は酷いものばかりだ



名無しさんは目でリヴァイを必死で探した
そんな時
エレンが前にいた男を薪で殴り
ミカサが止めていた

調査兵団を馬鹿にしていた男だ
エレンは腹が立ったのだろう

ミカサはエレンを引っ張り男から逃げ
名無しさんもその後を追った


追いついた時にはエレンは、顔を曇らせた姿でばらまった薪を拾っていた


「どうしたの?」

ミカサを見ると怒った表情で名無しさんの肩に手を載せ

「エレンが調査兵団に入りたいらしい…」

「…エレンが…」

エレンは薪を拾い終えると
家の方へ歩いて行った

「エレンには無理。調査兵団にはなれない」

「…実は…私も調査兵団に入りたいんだ」

ミカサは目を見開き今まで見た事ない顔をした

「名無しさんまでどうして?調査兵団になったら…死んでしまうかもしれない」

「会いたい人が…調査兵団にいるの」

「それは…名無しさんの大事な人?」

「うん…ここにくる前に育ててくれてた人。死んじゃってるかもしれないけど…生きてるって信じたいんだ。」


エレンの後を追うように歩き始めた
ミカサもそれに続いた


帰り道はそれから一言も会話をせず
家に着くとまたエレンが母に怒られていた。
また嘘でも付いたんだっと思いながら、薪を箱に流し込んでいると

「エレンと名無しさんが調査兵団に入りたいって」


ミカサが少し静かになった時
カルラへ静かに話した


カルラはエレンと名無しさんを見て頬を叩いた

「いって」

「いっ」

「ダメよ!調査兵団に入ったら!死ににいくみたいなものじゃない!」


エレンが拳を握り
悔しそうにしている

「カルラさん…」

「名無しさんもダメよ?!絶対許さないから」

こんなカルラさんは初めて見た…

すると、ずっと黙っていたグリシャが口を開いた

「何故エレンは調査兵団に入りたいんだ?」

「外の世界がどうなっているのか、何も知らずに一生壁の中で過ごすなんて嫌だ」

「そうか。名無しさんはなぜだ?」

「…会いたい人が居るから。私を育ててくれてた人が…居るかもしれないから…っ」

「そうか…そろそろ船の時間だから行くよ」

グリシャは立ち上がると玄関の方に行ってしまった

カルラはグリシャに父親らしくちゃんとダメだっと言って欲しく
グリシャを追いかけた



「エレン…帰ったらずっと秘密にしていた地下室を見せてやろう」

「ほ、本当?!」
エレンは嬉しそうにグリシャを見つめた

グリシャは黙ったまま仕事に行ってしまった
カルラはエレンと名無しさんに振り返ると

「私は絶対許さないからね。」

そう言い洗濯物を干しに出てしまった




エレンがミカサを睨んだ

「チクりやがって」

家を出ていつもの広場に向かい

エレンはいつものように横になっている
するとアルミンが現れ新しい本を抱え走ってきた

いつも持ってきてた本とは違いぶ厚い本


「何その本?」

アルミンに問うと

「名無しさんに読んで欲しくて持ってきちゃった」

っと顔を赤らめ本を開いた

「エレンもおいでよ!この本には外の世界の事が書いてあるんだ!」

アルミンがエレンを誘うと
エレンは体を起こし駆け足で本を覗き込んだ

本にはたくさんのみずの絵や木々
大自然の事が書いてあった

「名無しさん…これなんて書いてあるの?」

「海や川って言うんだって」

「じゃこの赤い海みたいなやつは?」

「マグマ…触ると手が溶けるほど熱いらしい」

みんな見た事の無い世界を本の中で知り
特にエレンは外の世界を夢見ていた

「絶対調査兵団になって壁を超えてやる」


見ていた本から目を離しアルミンがエレンを見た

「おばさんに言ってみたら?」

「言ったよ…ミカサがチクったからな」

「それで?どうだった?」

「ダメって…あーちくしょ」

「やっぱり…」






改めて本に目を向けた時
雷のような大きな音と地面がものすごく揺れた


「何今の?」

「地震…か?」

エレンは立ち上がると人が集まっている方へ歩き出した
名無しさんはミカサと顔を見合わせエレンの後を追った


そして




目に入ったのは






高い壁の上に赤く大きな手が見えた

少し遅れアルミンが追いつき
アルミンが震えた口で

「あ…あれって…」


アルミンがしゃべり終わる前にその姿が現れた
巨大な巨人がこちらを見ている


「巨人…?」



巨人が現れて数秒後
壁が巨人の蹴りによって破壊され
壁の破片が飛んできた

「きゃぁぁぁ」
「逃げろぉぉぉ」

一瞬で家が破片により潰され
周りには大きな破片に潰された人の姿が目に映った


「エレン!ミカサ!アルミン!逃げなきゃ!」

ふっと前を見ると、破壊された壁から次々と巨人達が現れていた

「母さんが…あっちに家が…」
エレンは家に向かい走り出した
ミカサもそれを追って続いた

「アルミン!アルミン!」

固まって動かないアルミンに声をかけ意識を戻す

「っ…?!ごめん。僕も家に行くよ!」

「アルミンっ!気をつけて」

「名無しさんも」






家に向かうまでに巨人とは会わなかったが
怪我人や死体は進むたびにあった


ようやくエレン達に追いつき家に着くと
家は潰れて跡形も無かった

「母さん!」

エレンがカルラを見つけ引っ張る

「っ…エレン…っ」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ