進撃の巨人

□自分の翼4
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いつもと変わらない朝がきた

いゃ少し違う

珍しくイザベルが早起きだ
名無しさんより早く起きているのは久しぶりだ。

イザベルは立体起動装置をチェックし不具合がないか見ていた

ファーランはもうチェックし終わって椅子に座り何かを考えている


リヴァイはいつもと変わらず紅茶をすすっていた


「もうそろそろ時間だね」

いつもの仕事の時間

みんなは立体起動装置を装備し
マントを着る
名無しさんもマントを着ると
リヴァイが抱えた


「行くぞ」

「「あぁ!」」

外に出て
ガスを吹かし鳥のように舞った

名無しさんはフードを深く被り周りの音を聴き分ける

「いつもみてぇに荷馬車後に退散だ。例の奴等がきっと現れる」

リヴァイはファーランとイザベルに言い終わると
目的地の荷馬車を立体起動装置の力で蹴り飛ばし荷物をバラまいた

馬車の周りでは男らが騒いでいた
ここまではいつも通り


ガスを吹かし馬車から離れて行くと
遠くから立体起動装置のガスを吹かす音が耳に入ってきた
1人ではなく複数人だ

「リヴァイ!ファーラン!イザベル!来た!まだ遠いけどこっちに向かって来てる!…あれ…さっきより…増えて…っ?!」

後ろを振り向くとものすごいスピードでガスを吹かし追って来ていた



「リヴァイ兄貴?憲兵団の奴等ずいぶんと腕をあげたんじゃ「あれは憲兵団じゃねぇかもしれねぇ」え?じゃぁ…」

イザベルは額に汗を流しリヴァイの答を待った

「あれは調査兵団だ!」

リヴァイの発言で一気に緊張が走った
イザベルは楽しそうにはしゃいでいる
「負けねぇ!一匹残らず泣かしてやるぜ!」

「お出ましってことか…」

ファーランは苦笑いをし
リヴァイの指示を待った

「ファーラン!イザベル!わかってるな?」

「ハイハイ…」

「もちっ!」

2人は返事を返すとガスを吹かした

「2人とも!頑張ってね!」
名無しさん言葉に振り返り
頷いた2人は左右に消えて行った


リヴァイに顔を向けると
リヴァイは遠くを睨んでいるような表情をしていた

何だが怒っているとはちょっと違う…少し楽しんでいる?…ような感じに名無しさんはとらえた

その直後名無しさんの耳に立体起動装置のガスを吹かす音が聴こえた

「リヴァイ!兵士2人が近づいて来てる!」

名無しさんの声にリヴァイが"はっ"っとし後ろを振り返り
ガスを吹かしスピードを上げた

名無しさんはリヴァイの首にしがみつき耳をすました

「名無しさん…奴等を負かす為にあの廃墟で潰す」

「わかった。リヴァイ?…何か…嫌な感じがする…」

そんな事を言ってもリヴァイはただ"大丈夫だ"っと言うだけ

そんなやり取りをしていると廃墟についていた

振り向けば兵士は1人減っていて
1人の兵士がすぐ後ろまで来ていた

「チッ」

リヴァイは舌打ちをした後
廃墟の中に入り出口を目指した

「リヴァイ!音が消えた!」

「負かしたのか?…」
ふと力を抜いた瞬間

「リヴァっ?!」
天井が破壊され降ってきた瓦礫の中から兵士が向かって来た

名無しさんは殺られるっと目を深くつぶったが
リヴァイが足に隠していたナイフを取り出し
兵士に向き直しナイフで兵士の攻撃を止めた
兵士がもう片方のソードをリヴァイに向け振り落としたが、リヴァイはそれをよけ
ガスを吹かし兵士を負かした

「フッ…ちょっと本気になり過ぎたか…」

「ファーラン達無事かな…」

ガスを吹かしながら会話ができるぐらい余裕ができた。

「名無しさん、怪我はしてないか?」

リヴァイは眉を下げ心配しているようだった

「大丈夫!リヴァイが守ってくれたから」

笑顔を向けリヴァイに言えば
リヴァイは名無しさんの頭を撫でガスを吹かした

そんな会話をし終わって数分もたたず
消えたはずのもう1人の兵士が上から降ってきた

きっと音がわからなかったのは
ガスを吹かさず
気づかれないようにそのまま落ちて来たのであろう

さっきの兵士もきっと同じ手でやったのだろう。

気付くはずがない…音が聴こえないんだから。


リヴァイはナイフをまた取り出し防御した

兵士のマントのフードが外れリヴァイとの距離が縮まり
リヴァイが兵士に押されていた

壁に追い詰められ
兵士がリヴァイに"ナイフを下ろしなさい"といっている

「ナイフ!」

名無しさんがリヴァイに"ナイフ"と叫ぶと
リヴァイがナイフを離し落ちてきたナイフを取り、兵士に向かって刺した
だが簡単によけ名無しさんを見下ろした

一瞬名無しさんをみた兵士の目が見開いている姿をリヴァイは見逃さなかった
その時また兵士がリヴァイに目を戻し
「周りを見なさい」
っと言われ
リヴァイと名無しさんは周りを見た

「離せ!あっ!兄貴達!」
っとイザベルが兵士達に捕まっている姿が目に入った
それにつづいてファーランが黙って兵士に腕を引かれている姿が目に入り
名無しさんはリヴァイを見た

リヴァイは悔しそうな顔で力を抜き
兵士がリヴァイの腕を後ろで縛った
名無しさんも腕を後ろで縛られ
膝を付いて座らせられた

先ほどの最後に戦った兵士が前に立ちしゃべり出した

戦っている時は気づかなかったが名無しさんに似た金髪だっとリヴァイは兵士を睨みこの場をどう逃げるか考えていた

きっとこいつがこの中で偉い奴だと思いながら名無しさんは兵士を睨んだ

「名前は何て言うんだい?君がリーダーだね?」

リヴァイの前に立ち問
鋭い目つきで金髪の兵士を睨み答えようとしないリヴァイ

「いくつか質問させてもらう。立体起動装置を何処で手に入れた?立体起動の腕も見事だった、誰にに教わった?それとも前に兵団で訓練を受けた事があるのか?」

リヴァイは全く口を開こうとしない

すると金髪が何やら目で後ろにいる兵士に合図をすると、リヴァイの髪を後ろから掴みリヴァイをドブの水が溜まった地面に勢いよく叩きつけた

その場に居た名無しさん達はリヴァイの髪を掴んだ兵士を睨み、次に金髪の兵士を睨んだ

「おぃ!兄貴から手を離せ!」
イザベルが言っても手を離そうとしない

「もう一度訊こう…立体機動を何処で学んだ?」

リヴァイと金髪の兵士は睨みやいをし口を開こうとしないリヴァイにイザベルが口を開いた

「誰にも習ってねぇよ!公僕の分際で偉そうにいばるな!」
イザベルに続きファーランも続いた
「ゴミ溜めで生きる為に身につけたのさ。下水の味も知らねぇお前らには分からんだろうよ」

「そうだよ…あんた達には、私達の事なんかゴミみたいに見えるかもしれないけど…私達は這いつくばって今の今まで生きてきたんだ!」

金髪の兵士はリヴァイの前に膝を付き
また兵士に目で合図をすると
リヴァイの頭を引き上げた

「ゲホッ…ぐっ…」
リヴァイは苦しそうに咳き込み
周りの兵士を睨み最後に金髪の兵士を睨んだ

「私の名前はエルヴィン・スミス。お前の名前は?」

睨むだけでリヴァイは口を開かなかった

「このままでは、お前の仲間に手をかけることになるぞ」

エルヴィンがまた目で合図をすると
ファーラン、イザベル、名無しさんの首にソードを当てられた。
リヴァイはそれを見て奥歯を噛み締めた

「やるならさっさとやれよ!」
イザベルが声を張り上げれば、イザベルの首をソードが食い込む

名無しさんはリヴァイを見て必死に目で助けを訴えた

「てめぇ…」

リヴァイが今まで見たことの無い目つきでエルヴィンを睨んだが
エルヴィンは恐れるどころか
凛としていた

「お前の名前は?」

飽きもせずエルヴィンはまたリヴァイに名前を聞いた

するとリヴァイの口がゆっくり動いた

「リヴァイだ」

悔しそうな声で
名無しさん達は下を向き何も出来なかったっと悔やんだ

「リヴァイ……私と取引をしないか?」

エルヴィンが真剣な顔で先ほどとは少し違う柔らかい声で話し始めた

「取引…?」

「お前達の罪は問わない。かわりに力を貸せ…調査兵団へ入団すれのだ」

リヴァイの脳内で勝手に整理された
「(…調査兵団に入ったら……)」

きっと"死"が待っている


「断ったら?」

「憲兵団に引き渡す。これまでの罪を考えれば、お前はもとより…お前の仲間もまともな扱いは望めんだろう」

リヴァイはファーランとイザベルを見た後…名無しさんを見つめた。

「好きな方を選ぶがいい」

数秒沈黙が流れたあと
リヴァイが顔を上げた

「…そこの餓鬼も連れて行っていいなら調査兵団に入ってやる」

リヴァイは知っている
兵士希望は12歳を過ぎなければなれない
このまま行くと言えば名無しさんはきっとここに置いて行かなくては行けなくなる
名無しさんを置いて行くことは出来ない。
約束をしたから…それだけじゃない
大事な仲間…以上に家族のような存在だからだ。

「…それはできない」
リヴァイはやはりっと顔を濁らせた

「わっ…私は…大丈夫…1人で生きていける!」
リヴァイは名無しさん見ると
名無しさんの真剣な顔に目を疑った
泣き虫で1人を好まなく
怖い夢を見ただけで泣き付いてきた名無しさんの初めて見た真剣な顔

「お前…わかってんのか?1人って「わかってる!だって私が皆と居たいって言ったら…皆…憲兵団に渡されちゃうんでしょ?…そんなのやだよ…私は大丈夫だから!もう1人で大丈夫だから!お願い…だから」…っ」

名無しさんはわかっていない…
調査兵団がどんな場所か

「では、決まりでいいかな?」

エルヴィンはリヴァイに問う

「リヴァイ兄貴?…」
イザベルがリヴァイを見れば
ファーランがイザベルに"覚悟を決めろ"っと小さく呟いた


また少しの沈黙が流れ
リヴァイの口からジャリッと砂を砕くような音を鳴らし
エルヴィンを見上げ
「いいだろ…調査兵団に入ってやる」

覚悟を決めた。
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