進撃の巨人

□自分の翼3
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名無しさん




名無しさん






「…ん…っ」

「あっ名無しさん!」

イザベルが顔を覗いて名前を呼んでいたらしく涙目で"よかった"と抱きついてきた

「目覚めたのか?大丈夫か?」
ファーランが部屋に入ってきた

「あれ…目が…おかしい…」

名無しさんは右目を手で触ると包帯に気づき
自分に起きた事を思い出す

「あ…そっか…オジサンに目取られたんだっけ…」

「名無しさん…大丈夫?」
イザベルが手に触れ眉を下げる

「うん…大丈夫…痛くないし」
眉を下げてニッコリ笑って見せた

そこにブーツ音を立てリヴァイが現れた
リヴァイは立体起動装置を持ち
準備をしているようだ

「リヴァイ名無しさんが目を覚ましたぞ」

「あぁ…お前ら準備しろ」

リヴァイは二つの立体起動装置をイザベル、ファーランに渡した

「おぃ!名無しさんが目を覚ましたばっかりで仕事かよ?!」

ファーランはリヴァイに掴みかかった

「ファーランお前は何か勘違いをしてるみてぇだな。今から人が居ない場所へ行く、そこなら暴れても問題ねぇからな」
ファーランの手を掴み自分から離した

「でもリヴァイ兄貴!名無しさんは今起きたばっかりだぜ…?」

「名無しさんよ。もう動けるな?」

リヴァイは名無しさんを見るとマントを渡した

「うん…大丈夫。」
マントを受け取りそれを着た

「名無しさん本当に大丈夫なのか?」
イザベルが立体起動装置を装着し終わり
髪を結びなおした

「大丈夫。私も自分の事は守れるようにしたいから」

イザベルは"そっか"と眉を下げる

ファーランも装着し終わり
準備ができた。


リヴァイは名無しさんを抱きかかえると行くぞと一言告げ
外へ飛び出した



ガスを吹かす音を響かせ

カチャカチャと操作する






「立体起動は久しぶりなだぜ!」
風に体を任せ鳥のように腕を広げる

「おぃ名無しさんよ…お前に聞きてぇことがある。」

リヴァイは前を向きながらカチャカチャと操作する

「何?リヴァイさん」

「あの男をどうやって殺った?」

名無しさんは首を傾け

「殺った?…誰のこと?」

まるで覚えてないような左目でリヴァイを見つめた

「(…覚えて…ねぇのか?…いゃ…それともこいつの意思じゃない…)」

名無しさんは首を傾げ
変なリヴァイさんと笑った

リヴァイは久しぶりに名無しさんの笑顔を見た気がし

知らないなら黙っとくかと胸にしまい込んだ

せっかく笑ってくれたのに、それを壊したくなくて
今言ってしまったら名無しさんはどうなってしまうんだろうと
リヴァイは頭の中で考えた結果だ

きっと自分の一族については母親から聞いているはずだ
だが自分が殺人マシンとは母親の口からは言えないであろう
ましてや5才ぐらいの餓鬼だ


「リヴァイさん…ありがとう。」

「何がだ?」
名無しさんを見るとニッコリ笑っていた

リヴァイの頬に唇を付けすぐ離した
小さなリップ音が2人の間に流れ
名無しさんはリヴァイを見てまたニッコリ笑った

リヴァイは今起きた事に理解ができず時が流れた…








「着いたぞ」

古い建物や昔人が生活をしていたであろう生活用品が転がっていた

「何か…きみわりぃな…」
ファーランが2、3歩後ずさりすると後ろからイザベルがこっそり現れ
「ばぁぁ!」
ファーランの両肩を掴み大きな声で叫んだ

「っ!???」
ファーランは声にならない声で叫び尻餅を着いた
それを見たイザベルが腹を抱えながら爆笑している
「くっくっく!ファーランビビり過ぎっ!くっく」

「てめぇら!遊びに来たなら帰れ」

リヴァイがすごい顔で睨むと
流石にやり過ぎたと思い
イザベルはファーランと体術の訓練を始めた



「リヴァイさん?何をするの?」
名無しさんはイザベルとファーランを見て
あれ?あれをやるの?と目を輝かした

「まぁそんなところだ…」



リヴァイは名無しさんに拳の握り方や蹴りなど
様々な格闘技を教えた


「こうかな?…そして…こうっ!」




イメージを膨らまし
エアー格闘をして早1時間

早くも上達したので
リヴァイが相手をし
試してみる事に



「さぁこい」

名無しさんがリヴァイの胸に拳を入れようと振るうが
リヴァイの腕で阻止され
その好きにもう片方の手でわき腹めがけ拳を入れた

一瞬よろけたすきに地面に着いた足を蹴り
リヴァイの背中は地面に着いた

ものの数秒の出来事でイザベルとファーランは口を開け見ていた


「リヴァイさん!」
起き上がったリヴァイの背中に付いた砂をはらい
リヴァイに謝った

「謝るな…少し手加減し過ぎたみてぇだな。甘くみすぎたか」

リヴァイはもう一回やるかと名無しさんに目で言うと
名無しさんは頷いた

「次は甘くないぞ」

そう言うとリヴァイは名無しさんに向かい拳を振り下ろした
うまくそれをよけ
自分も攻撃をしようと拳を握るが早すぎてタイミングがわからず
ただリヴァイの攻撃から身を守る事しかできなかった


「逃げてるだけじゃ勝てねぇぞ」


「わっわかってる!」









だがそれから一発も決めれずその日の訓練は終わった



帰りもリヴァイに抱かれた状態で立体起動でアジトまで帰った


「リヴァイさん…」

リヴァイは立体起動装置を綺麗に拭いていた

「どうした?」

拭くのをやめ名無しさんに目をやった

「……あのね…」

もじもじと動き話が進まなく
リヴァイの眉にシワが出始め
リヴァイが口を開こうとした時

「…お風呂…一緒に入っちゃ…だめ?」

リヴァイは持っていたタオルを落とし
時が止まった

「いつもイザベルと入ってたんだけど…今日イザベル先に入っちゃってて…ファーランに一緒に入ろうって言ったら忙しいからダメって言われちゃったから…」

もじもじと少し頬を赤らめ
恥ずかしそうなそぶりを見せる

「お前な…風呂ぐらい1人で「母さんはいつも一緒だった…」」

リヴァイは名無しさんから"母さん"と言う単語を聞くと
できるだけ母親との事を大切にしてあげようと、母親がしていた事はやってあげようと決めていた。
だが…今回は事情が事情だ
名無しさんは子供だが女である
リヴァイは完全に男だ

だからお風呂はイザベルに任せていたのに
イザベルは今日の訓練で汗をかいて早くサッパリしたかったせいか…
名無しさんを一緒に入れるのを忘れていたらしい。


「リヴァイさん…」

「(このまま入らないと…きたねぇし…)」

リヴァイは眉にシワを作り黙る

するとそこにファーランが現れた

「あれ…まだ入ってなかったのか?」
ファーランはみんなの洗濯物を運んでいた

「風呂まだならついでに俺と入るか?色々片付いたしな」

洗濯物を運び終え
腰に手を当てファーランが首をかしげる

リヴァイの額にシワが一気に増え名無しさんの顔を見た

「うん!入る!」
「(チッ…誰でもいいのかよ…)」
嬉しそうな顔でファーランに飛びつき
リヴァイにはファーランも喜んで見えた

2人は着替えを持ち部屋から出ようとした時
リヴァイの低い声が響いた

「おぃ。名無しさん…俺と入るんじゃねぇのか?」

「え?だってリヴァイさん…返事しなかったじゃん…忙しそうだし…」

リヴァイはファーランには任せたくないのか、どうにか自分と一緒に入らせようと必死に説得した

その結果ファーランがリヴァイの顔に負け名無しさんはリヴァイと入る事になった。
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