進撃の巨人

□自分の翼2
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歩くスピードは少女のスピードの倍で少女は、男に合わせるように走る

引っ張る手は暖かく心地が良かった

「お兄さん…何で私を助けてくれるの?」
男は手を強く握ると
「俺はお前の事をよく見ていた…」

少女は走っていた足を止め
男もそれにつられ足を止めた
少女を見ると「何故?」と首をかしげていた

「話は長くなるが…お前…よく駐屯兵団の食料を盗んでいただろ?」

少女は頷く

「駐屯兵達は基本同じ場所でくっちゃべってやがる。その場所からすぐの場所に俺の家がある…夜は風に当たるためよく外に出る。そこでよくお前が盗んでいるのを見ていた。」

男は餓鬼の癖に凄いと褒めた
少女は頬を赤くし照れた顔でニカッと笑った

「自慢にはならないけど…私盗みは得意なんだ!」

手を繋いでいない方の手をVサインにしニカッと笑った

男は表情を変えず
「お前…いゃ…何でもねぇ」

途中で言うのをやめ
再び少女の手を引っ張り歩き出した

「ねぇ…お兄さん…お兄さんのお名前なんですか?私は名無しさんっていいますっ!」

男の顔を覗き込み

「リヴァイだ…」

「リヴァイさんかぁ!かっこいいお名前だね!」
また少女はニカッと笑った

「お前…親が死んで悲しくないのか?」
笑顔だった少女の顔はその質問で一気に暗くなった

「悲しいに決まってる…じゃん」

握っていた少女の手からものすごい握力を感じた

「母さんは…笑えって…つらくても、悲しくても…笑えって言ったんだ…っ」

少女の目にはまた涙がたまった
それを流さないように、リヴァイを見るとまたニカッと笑った

「…っ…餓鬼の癖に…」

リヴァイは歩いてた足を止め
少女の頭を撫でた
そして少女を抱き上げた

「リヴァイさん?」

急に抱き上げられ首をかしげた

「泣きたい時は泣け…今なら俺の肩貸してやる…」

少女の頭を優しく包み歩き出した


少女はリヴァイにしか聞こえない声で泣いた

「母さん…何で私を置いてったの…母さん…っ…まだいっぱい話したかったよぉっ…」

数分たちリヴァイは背中をさすり
静かになった少女を見ると
スースーと寝息をたて、まぶたを腫らして寝てしまっていた

「…チッ…肩ビショビショじゃねーか…」

それから少しして家につき
扉を開けた

「兄貴!おか…えり…?」

「リヴァイ…それ…?」

2人の男女がリヴァイに近づき
リヴァイが抱いてるそれに指をさした

「訳あって今日からこいつも共同生活をする…」

ソファーに少女を静かに寝かせ
毛布をかける
そうすると目をこすり毛布に顔を埋め、スースーと寝息をたてた

「兄貴?この餓鬼…どうしたんだ?」

少女に近づき興味があるのか覗き込む

「…おぃ…この餓鬼見て変と思わないか?」
リヴァイがそう言うと男女が少女を改めて見る

「うーん…俺はただの可愛らしい女の子に見えるぜ?」
っと女はリヴァイに何か変なのか?と首をかしげる

「…綺麗すぎる…」
男が発した言葉にリヴァイが頷く

「そうだ…地下街の人間の癖にこいつは顔立ち、服装が綺麗なんだ。前から何度かこいつを外で見たことあるが…毎日違う服を着ている…だが地下街に住んでる…ファーラン…どう思う」

リヴァイは男に目線を向け答

「…何かある事は確かだね。だけど下手に首を突っ込むのは危険な気がする。この子を本当にここに置くなら、それなりに気をつけなきゃいけない気がするよ」

「なー?さっきから難しい話ししてさ…俺わかんねーよ!」

2人の間に女が入り頬を膨らましふてくされている

「まぁイザベルには難しいな」
ファーランが笑いながら女の肩を叩く

「俺を馬鹿にしてんのかっ?」
「イザベル…お前は馬鹿だろ?」
「俺は馬鹿じゃねーよ」
「じゃ16+24=?」
「えーっと…6+4で…11?…あれ?15?…60!」

ファーランはため息を吐き
頭を抱えた


「40だ…馬鹿が…」
リヴァイがイザベルの頭を優しく叩く

「兄貴に馬鹿って言われたぁ」

涙目でしょぼくれていると
毛布がモゾモゾ動きだした。
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