進撃の巨人

□自分の翼1
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日の当たらない毎日

朝も夜も笑顔が消えない家族があった
若い母親と少女が居た
今で言うシングルマザー
とてもいい生活とは言わない
だがいつも笑顔が消えない
「辛くも笑えば幸せよ」っと母の言葉

幼くしてしっかりしている少女
母親もまだ20代前半ぐらいの綺麗な人

父は不明、母はあまり父を語ろうとしない


「母さん」
「どうしたの?」
母の袖を引っ張り母に「お腹空いた」と言ってみれば
母は笑顔で「はいはい」と頭を撫でた

家に帰れば母は手に入れた食材で料理を作る
料理と言っても一つ一つが貴重な物
毎日料理を作るわけでもない
いや、作れないっと言う方が正しい
食材は盗むか分けてもらうか
たまに駐屯兵が酒を飲みながら
見張りをしている
そこに食材もありそれを盗みに
地下街の仲間と罪を重ねた
人は殺した事はない
だが半殺しにはした事はある
自分を守るため
家族を守るため
仲間を守るため
地下街はそんな場所だ

「ご飯よ」
部屋に母の声が響き
私は席に座る

今日は母の得意な豆スープ

口に入れれば暖かいスープが口に広がる

「美味しい!」
久しぶりの食事

「よかったわ…ケホッ…」
「母さん!風邪?」
母の咳に驚き母に近づく
背中をさすればニコニコ笑顔を見せ「大丈夫よ」と心配な顔をした娘に言い聞かす

食事も終え
食器を片付け、顔色の悪い母の元へ行く
椅子に座りだるそうに頭を抱え目を伏せてる母は何だか
遠くを見ているようだった

「母さん…横になりなよ?」
母を覗き込み
笑顔を見せた
「そうね…ちょっと横になるわ」
母は珍しく笑顔を見せず
寝る部屋へ去って行った
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