ONEPIECE
□父親の血
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船の中はハンコックの趣味だろうか
蛇やカラフルな可愛らしい家具が置かれている
「ハンコック?どのぐらいでつく?」
「2、3日っと言ったところだろ…ついてもうまく入れるかが問題じゃ」
「入れなかったらどうする?」
「わらわに任せろ。必ずエースの元へ連れてゆく」
「本当にありがとうハンコック…」
船は波に打たれながら進んでいく
1日目はゆっくりと波に揺られながら進んで行った
2日目は少し波が荒れ嵐になった
「…すごい雨だな…」
「これじゃ明日着くか心配じゃ…」
「なぁハンコック?飯まだか?」
「おい!ルフィ!今は飯より目的地につくか心配しろよ!」
「だって腹が減っては寝れねぇって言うだろ?」
「いゃ腹が減っては怪我をするだろ?」
ルフィがそうだったか?何て言いながら笑っている横でハンコックが「いゃ…腹が減っては戦はできぬじゃ…」っと呟いた
「今食事の準備をしよう」
少し呆れた様子のハンコックは食事の準備をしに行ってしまった
「ルフィ…もしエースを助けるのに戦いになったら、私は戦力にならないと思う…だから…」
「何かあれば俺が絶対助ける!エースも俺が助ける!」
「ルフィは大きくなったな?私は変わってない…あの時のまま…時間が止まってる…」
「名無しさんは変わったぞ?」
「そりゃ…身長も伸びたし、髪型とか変わったけどさ」
少し苦笑いをしながら頬をかいた
「可愛くなったぞ!」
「そうそう可愛くなった…っ?!はっ?!可愛くねぇよ!!バカじゃねぇの!」
自分でも顔が赤くなったのがわかった
「じゃ綺麗?」
名無しさんは赤面して口をもごもご動かしている
「わははは!名無しさんの口が魚みてぇだぞ」
ルフィはお腹をおさえて地面を叩きながら笑い泣きしている
そんな姿が面白くてこっちまで笑ってしまう
「ルフィ笑いすぎだ!ったく…」
「食事の準備ができたぞ!」
ハンコックの声でルフィは食堂へダッシュで行ってしまって、先程までの賑やかさから一気にシーンっとした
「…可愛い…綺麗か…っ…ないない!だって私は…汚い…でも…」
名無しさんの頬はまだ少し赤かった
少し遅れてルフィを追いかけ食堂へ足をのばした
いつも通りの食事を済ませ寝床へ行くとハンコックが背中を叩いた
「ん?どうした?」
「明日にはつくじゃろう。ただ死刑まで時間が限られておる…わらわは中に入ったらお主らを助ける事はできぬ…だから気をつけるのじゃ」
「ありがとう…きっとすぐ終わるよ?ルフィは強いから…エースなんてすぐに連れ出して船に戻ってくるからさ」
ニシシっと笑うとハンコックも笑ってくれた
その夜は少し寝付けなかった
緊張と不安…それと何か嫌な予感
名無しさんは外に出て真っ暗な海を眺めた
魚も見えない今日は星すら出ていない
「…ルフィの足だけは引っ張らないようにしなきゃ。」
その場に寝転び空を眺めた、海なのか空なのかわからない、星もない月の明かりもない真っ暗を
気付くと寝ていたらしく太陽の光で目を覚ました
「まぶしい…」
体を起こし太陽を眺めながら体をボキボキ鳴らし立ち上がり
周りを見渡していると小さい島?建物?が見えた
「ハンコック!ハンコック!」
その場でハンコックを呼ぶとパジャマ姿のハンコックが走って飛んできた
「どうした!名無しさん!」
「あれか?エースがいるインペルダウンって?!」
「そうじゃ!あと2時間でつくだろうからルフィを起こしに行かなくてわ」
ハンコックはルフィを起こしに行ってしまった
インペルダウンを眺めながらエースを救い出す計画を頭で考えていた
どうやったら戦闘を避けて救えるか
できればルフィにも戦いは避けてもらいたい…
「名無しさん!ルフィ!わらわのコートの中へ!あ奴らの目に入ったらエースを救うどころじゃなくなってしまう」
「わかった」
「おう!」
そう言ってハンコックにしがみついた
真っ暗だが外の嫌な感じは伝わってきた
ピリピリと肌が痛くなる