【SW】向日葵は青空の太陽を見上げる
□追走
3ページ/3ページ
残った3人は走っていると、先に光太郎のほうに限界がきてその場で止まってしまう。
「ハァ…ハァ…光太郎、お母さんのいる部屋わかる?」
「ハァ…ハァ…わかんない。ハァ…僕お母さんの会社来たことないから」
すると佳主馬が
「大丈夫。佐藤さんが教えてくれたから。
このビルの最上階の一番奥の部屋」
名無美はビルの高さを思い出す。
「マジか…」
すると、後方からの急いで走ってくる足音。
佳主馬は「チッ…」と舌打ちすると、
パソコンが入ったカバンを名無美に渡す。
「壊したら許さないから!」
そう言って後方を向く。
「重くなるじゃん」
そう言って名無美はパソコンの入ったカバンを肩にかけ、光太郎の手を引いて走りだした。
「ハァ…ハァ…」
「ハァ…追いつかれるよ…ハァ…」
長い長い階段に二人の体力はどんどん奪われていく。
かなり上っていくと、途中で階段は行き止まりとなった。
どうやら最上階に着いたようだ。
「着いた…」
行き止まりの横の扉を開けると一方通行の広い通路。
「あとはこの奥を…」
光太郎が後ろの名無美を見た時だった。
「あ……」
エレベーターで上がってきたのか、リーダー各のスーツの男が名無美の背後にいた。