【SW】向日葵は青空の太陽を見上げる

□追走
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「これ綺麗じゃない」

「こっちも綺麗」

名無美と夏希、光太郎はキャッキャとお花を選ぶ。


「時間ないから早くしなよ」

「わかってるようるさいな」


時間のことを指摘した佳主馬は名無美の返事にイラッとする。

「自分から始めたくせに危機感わかってるのかよ…」

そう怒りで体を震わせる佳主馬を佐久間と健二は「まあまあ…」と落ち着かせた。


花も選び終わり、可愛く包装。

「うん!これならお母さんも喜ぶよ」

再び安藤社を目指そうとした時だった。





「本当さー…呑気に花選んでるからだよ」





そうしかめっ面の佳主馬の視線の先には先ほどのスーツの男達が遠くから追いかけてくる姿。

皆は一気に走りだした。


「健二さん!足止めしてきてよ」

細かい道を走りながら、佳主馬はそう言う。


「ええっ!無理無理!!僕じゃかなわないよ。

 僕一人じゃ…」

健二はチラッと佐久間を見る。


「まじか…」






男達が追いかけていると、突然健二と佐久間が立ち止まり、振り返る。


「せーのっ!!」

そして、二人同時に全力体当たり。

健二と佐久間は踏ん張って男を押して狭い道を塞いだ。




「健二くん達大丈夫かな…」

「まあ、殺されはしないでしょ」


残ったメンバーはひたすら走ると、なんとか安藤社に着いた。


「ハァ…ハァ…」

安藤社に入ろうとすれば、追いかけてくる男達の姿が見える。


「マジか…」

皆は再び走り出した。

警備員をすり抜け、受付も無視して走る。



「エレベーターを待ってる暇ない!エスカレーターで行くよ!!」


その時、名無美の手に伸びそうな男の手を夏希が体当たりで防ぐ。


「夏希ねえ!!」

「皆は行って!!」



「貸して!」

佳主馬は驚いて固まっている清掃員のカートの中にあるブラシを奪って夏希へと投げる。

それを手に取った夏希は男達に向かって剣道の構えをとった。

互いに警戒するように見つめ合う。


その間に名無美達は走りだした。
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