【SW】向日葵は青空の太陽を見上げる

□逃亡
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「はあ〜読書感想文なんてめんどくせ〜」

佐久間は背もたれに体を預けてだらける。


「図書館だからみっともないことやめろよ」

「わかってるよ…」

健二に注意され、佐久間は体を起こす。



二人は今図書館で夏休みの課題と戦っていた。

図書館に来たのは、涼しく快適だからだ。

読書感想文の題材にも困らない。



ブーブーと健二の携帯にバイブが着信を知らせる。


「誰だろ…」

ディスプレイを確認すると、夏希の名前。

健二の顔はポッと赤くなる。


「夏希先輩からだろ。

 周りの人に迷惑だから早く外出て話せよリア充」

佐久間はジトーっとした目で健二を見る。


「わかってるよ…」

健二は図書館の外に出て、夏希からの電話に出た。


「…はい」

「健二ぐぅううぅうううん!!!」

「先輩!?」


電話の向こうで大泣きをする夏希に驚く健二。


「せ、先輩どうしたんですか!」

「名無美ちゃんがぁあああ名無美ぢゃんがああああ」

「落ち着いてください!どうしたんですか!」

「名無美ぢゃんがいなぐなっだあぁあああ…」

「え!?」



数分して少し落ち着いてきた夏希に詳しく説明を求めた。


「お買い物の時、気が付いたら名無美ちゃんを見失ってて…」

「連絡手段は?」

「ない…名無美ちゃん携帯持ってないし…」

「僕もすぐにそっちに行きます」


健二は夏希に居場所を聞き、電話を切ると佐久間に事を知らせる。

佐久間もついてくるとのことで二人で夏希の所へと向かった。
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