【SW】向日葵は青空の太陽を見上げる
□突然
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名無美は自然が恋しいと思った。
木に登って、畑ばかりの自分が住んでいる町を見るのが好きだった。
そこにスイカがあると尚、最高である。
だが、今目の前にあるのは何だ。
畑なんてどこにもなく、人、ビル、人、ビル。
それしかないのではないかと錯覚してしまう。
「人ってこんなにいたんだ…」
テレビで見たことはある街だが、実際に見るとやっぱり違う。
なんというか…
「帰りたい…」
帰りたいなら帰ればいい。
だけど、名無美には今それができない。
なぜなら…
「夏希ねえのバカはどこ…」
名無美は東京の街で絶賛迷子中だからである。