【sw】花の愛

□連休のおでかけ。
1ページ/3ページ


入学式から数週間が経ち、もうすぐ4月も終ろうとした時。


「5月のゴールデンウィークが空けたら新入生合宿だからな。

 今日はグループ決めをするぞ」

午後の授業が始まり、担任が教室に入ってそう言った。

担任が準備したくじを生徒達は引いていく。

名無美がくじを開くと、【B】と書かれていた。


「ねえねえ!名無美はどこだった!?」

アユが飛びついてきて、「Bだよ」と答えると、

「うちと一緒だー!!やったー!!」

とはしゃぎながら抱きつく。


「くじ皆引き終わったな。なら、黒板に書いた席の所に集まれ」

皆はぞろぞろと教室内を移動して、それぞれのグループのメンバーと対面した。


「よろしくー!!」

と元気よく挨拶したあゆだが、皆はその勢いに驚いて戸惑っているようで互いの顔を見合わせだす。


「よろしくね」

そんな中、最初にそう挨拶したのは入学式で新入生代表として挨拶をしていた男子生徒、中村昴であった。


それをキッカケに「よろしく」と皆口々に挨拶していく。


「グループの中の係り決めだけど…」

と中村はプリントに書かれている係り一覧を中心へと置く。

記載されている係りの横に生徒の名前を記入するみたいだ。


「まずリーダーだけど、誰かやりたい人」

と中村は皆に話を振ると、

「中村くんがしたらいいと思う」

とあゆが元気よく答える。


「向いてそうだし私もいいと思う」

それに名無美も賛同し、皆も頷いていった。


「あはは。なら皆の期待通りなろうかな」

と中村は恥ずかしそうに笑った。


やがてどのグループも全ての係り決めが終わり、皆はそれぞれ自分の席へと解散する。

それと同時にその日の全ての授業が終るチャイムが鳴った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ