その3

□インターハイスタート!
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「カブくん連れてきました!!」

なんとか開会式に間に合った鏑木と名無し子。


「ギリギリセーフだな」

「すいません!!」


「ひょあ!」

突然後ろから誰かに抱きしめられる名無し子。

「青八木さん?」

「パワーもらう…」

「んー…」と名無し子の頭を撫でる青八木。


「青八木さん頑張ってください!!」

「ん……」

頭をもう一撫ですると、青八木は名無し子から離れた。

「名無し」

その時、古賀に呼ばれる名無し子。

「はい」

「頼みたいことがある」

「頼みたいことですか?」


「名無し、急だが1年生達への支持係で1年生達と同じ学連のバスで来て欲しい。

寒咲さんの車組は途中の給水ポイントに行かないといけない。

結果的には、1年生達が先に着くことになる。

そこでの準備を指示したりして1年生達をまとめてほしい

 選手のゴール前には俺達も着くと思いから」


「わかりました」

「本当は一緒に車でインターハイの様子を見たかっただろうけど、頼む」

「まかせてください!!」


「鳴子くん」

名無し子は鳴子の所に行く。

「どないしたん?」

「私ね、ゴール前で待機しないといけないから、レースの様子見れないけど頑張ってね!!」

「見てもらえんのは残念やな〜」

「鳴子くん!!絶対に怪我しないでね!?

 怪我したら怒るからね!!」

「わかったわかっ…た…」

鳴子の手を握る名無し子。


「お願いだから絶対に怪我しないで…根性注入!」

「カッカッカッ!!ホンマに心配性やな。

 根性おおきに!!ワイ頑張れるわ!!」

鳴子は名無し子の頭を撫でると脱げて紐で背中のほうにぶら下がっていた帽子を被せた。


「あんな、お願いがあんねん」

鳴子はグッと名無し子を引き寄せ、耳元で何かを伝えた。




小野田達の開会式のステージでのインタービューが始まった。

ステージの上でテンパっている小野田くんを見ていると緊張が感染りそうだ。


「なんか緊張してドキドキしてきた」

「あんたが出るんじゃないから」

緊張していると隣の綾ちゃんにそう言われた。


ポンッ

「ひょあぁあ!!」

突然誰かに肩を叩かれ変な声が出た名無し子。


「び、びっくりした〜…」

「あ、お姉ちゃん」

「名無し子が緊張してどうするの」

と笑う千花。


「だって緊張するよ…」

「まあ、せいぜい頑張りなさい。

 私は箱学応援するけど」

そう言って千花はその場を去った。

「あれ、名無し子のお姉ちゃん?」

「そうだよ」

「え!?全然似てない!!」

「綾ちゃん!」

「似てないのは私もわかってるから

 お姉ちゃん美人でしょ?」

「確かにめっちゃ美人だね。

 でも私は名無し子の顔のほうが好きだよ〜」

綾は名無し子の頭をグリグリする。

「綾ちゃん大好き!!」

名無し子は綾に抱き付いたのだった。





「ちなみに、名無し子ちゃんのお姉さん箱学の卒業生なの」

「しかも元チャリ部のマネージャー」

「え!?」
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