うちの留学生

□第5章
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◆華子side◆


初めて陽泉バスケ部の公式試合を観た。

その圧倒的な実力に声を出すことさえ忘れる。


「ウチが……優勝……?」


インターハイ出場を巡る予選で圧倒的な優勝を当然のようにやってみせた。


「こんなに強かったんですね、うちのバスケ部」

「当然よ。うちが強豪なの知らないでマネージャーしていた山田の方が不思議よ」


観客席で一緒に観戦していた先輩マネージャーは笑う。


「恥ずかしい話です、本当」


強いのは分かっていた。

バスケ部に対するうちの学校のサポートの熱の入れようだって、期待されているからだと分かる。

私は、数週間前までバスケのバの字も知らなかったから、陽泉の部員たちの実力が普通だとどこかで思っていたのかもしれない。

他校の試合の様子だって散々ビデオで見てきた。

でも、実際みるのとじゃ実力差のインパクトが違う。
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