刀剣乱舞

□私達の恋は夜空色
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「三日月さん。起きてますか?」


「…主か?」


「そうです。入ってもいいでしょうか?」


「あぁ、いいぞ。」


「ありがとうございます。」


スッと襖を開けて入ると、三日月さんが自分の隣を叩いている。座っていいっていうことなのかな?


「失礼します。」


「して、こんな夜中に何しにきたのだ?」


「えっと…それは…」


いいにくい。ひどい夢を見たのだ。この人に関わる。


「ほう、その顔からして夢見が悪かったというところか?」


「なんでわかったんですか…?」


「主のことだ。これぐらいのことをわからないほど俺も鈍くないのでな。」


「そうですか…」


「そうでなきゃ杏の近侍なぞ勤まらん。」


「…今はいいですけどみんなの前のときは名前出さないでくださいね…?」


「はっはっはっ、善処することにしよう。」


三日月さんと話していたらなんだか落ち着いてきた気がする。この人はちゃんとここにいる。


「こんな夜にすいませんでした…もう戻りますね…」


そう言うと突然腕を引かれた。


「そう言わずにここで寝ていけ。」


「え、でも…」


「ほれ。本当は怖いのであろう…?」


怖い…落ち着いてきたが目を離したすきにいなくなったりしたらと思うと…


「ありがとうございます。」


おずおずと布団の中に入ると三日月さんもとなりに来て、ギュッとされた。


「はは、初め、夜這いにでもきたのかと思ったぞ。」


「夜這い…!?うそ…」


「まぁ、それは冗談だが。」


「そんな、冗談なんてよしてくださいよ。」


「せっかく今は若い身体だし、まだ夜も長い。じじいと一発ヤってみたらどうだ?」


「なんでそんな下品なこというんですか…!」


「俺が折れる夢を見て真っ先に俺の部屋にきた杏愛らしかったからかの…?」


「夢の内容までわかってたんですね…」


「次にまた、同じような夢を見ても他の男のところへは行くなよ?」


「なんでですか…?」


「手なんか出されたら俺が嫉妬してそやつのことを殺すかもしれぬからな。」


いつもの明るいトーンじゃない声にビクッとなってしまった。内容も内容だし…


「そう驚くな。なぁ杏よ、お前は俺のことが好きか?」


「…えぇ、あなたのことは大好きですよ。世界中の誰よりも。」


「そうか、じゃあ主と刀という関係はやめにしよう。」


「じゃあなにになるんですか…?」


「恋仲だ。これからはいつでも杏の名前を呼んでもいいな?」


「しょうがない人ですね…」


自分でも可愛いげのない返事だと思ったがこれは照れ隠しだ。自分自身にそう言っているとさっきよりも強く抱きしめられて頬にキスされた。


「今日はこのへんにしておこう。あんまり興奮すると眠れなくなるからな。」


いつものように笑っていたが耳が赤くなっていてやっぱり三日月さんも照れることってあるんだなと思えた。そう言っている私の頬も熱を持ったように熱いのだけれど。


私達の恋は夜空色
 

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