京都へ行こう

□7の2 麻希と来弥と屯所
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麻希と来弥は姫が居なくなり急に心細くなった。
何かあっても姫はいつも明るくて、冗談を言い、大丈夫だと笑ってくれた。
2人だけなら確実にパニックになっていただろう今回のことも、姫が笑わせ、励ましてくれた。
姫が八木邸に行った今、自分達だけで乗りきらなければならない。2人はお互いにそう考えた。


近「不安か?」

2人の様子を見ていた近藤が聞いた。
2人の顔がさっきまでと違い、怯えていた。

来「…はい。あ、でも姫が、近藤さんは頼れるから。って言ってて。近藤さんになら安心して任せられる。って…。だから…信じます」
麻「土方さんも。信じて大丈夫だ。って姫が言っていました」
近「っ!!初めて会った我々にそこまでの信用っ!!その気持ちに答えねばならんな!!麻希さん、来弥さん、安心してくださいっ!!」
山「本当、土方くんなんて嫌われてるんじゃないかと思うくらいだったのに、ちゃんと信用していたんですね」

近藤は涙を浮かべ。山南も感動していた。

原「あのよ、お前ら未来から来たんだろ?だから俺等の事知ってるんだよな?」

原田の一言に空気がピリッと張り詰めた。
皆無言で2人を見た。
2人はお互いに顔を見合わせ、口を開いた。

麻「…私達は確かに未来から来ました。ですが詳しく勉強をしていないので解らないんです。それに勉強したのも10年以上前なので記憶も曖昧で…」
土「姫は詳しく知っていそうだったが?」
来「姫は私達より詳しいです。ここの未来を聞きたいのなら姫に直接聞いてください」

「チッ」と土方が舌打ちをすると顔を背けた。麻希と来弥はホッとした。

「土方さんは疑り深いから色々聞かれると思う。未来の事を聞かれたら、自分達は解らないから姫に直接聞いてください。っていうんだよ。」

姫から貰っていたアドバイス通り、それ以上の事は聞かれなかった。
実際聞かれても何も解らないから答えられないが。かと言ってそれで変に疑われても困る。それを姫も感じたのかもしれない。

ピロン♪
ピコン♪

突然の電子音に皆は首を傾げたが、麻希と来弥はそれぞれケータイを見た。

LINE 姫
姫が画像を送信しました

皆は2人がケータイを弄るのを不思議そうに見ていた。

麻「あー!!」
来「姫何やってんのー!!」

2人が見た画像には笑顔で写った姫と野口がいた。

来「ずるーい!!私もイケメンと写メ撮りたい!!」

イケメンと聞き原田がケータイを覗いた。

原「なんだこれ!?」

原田の驚いた声に沖田もケータイを覗いた。

沖「野口さんと姫さん!?」

赤い顔で笑う野口と寄り添うように笑う姫。この短時間でよくここまで仲良くなれたもんだ。と、麻希と来弥は感心した。
沖田の台詞に近藤達も「どれどれ?」とケータイを覗き驚いた。

近「これはどういう事だ?」
来「ケータイですよ。これで写真や会話のやり取りをするんです」
山「未来のものなんですよね?」
麻「そうです。でも…」
山「でも?」
麻「変です。ケータイを使うには電波が必要なはず。ここ圏外になってる」
来「そりゃこの時代に電波塔なんて…あるわけない…」

圏外のケータイに姫からのLINEが届いた。試しに麻希は来弥へLINEを送る。

ピロン♪

麻希&来弥「届いた!!」
来弥は他の友人へも送ってみる。


電波がありません


来「送れない…なんで…?」
麻「この時代にいる3人にしか送れないってこと?」
来「多分…」

2人が会話しながら姫からの画像を見る。

麻「…ムカつくくらい良い笑顔だわ」
来「野口さん顔真っ赤だね」
原「すげぇ仲良さそう」
山「彼がねぇ…珍しいですね」
沖「楽しそうですね」
近「ちょっと近すぎないか?」
土「女に慣れてねぇんだろ」
沖「土方さんは慣れすぎですけどね」
土「総司」
沖「はーい」

とりあえず麻希は「ずるいぞ!!」来弥は「野口さんステキ!!」と返信した。
そのあと「あ」と麻希が近藤に近寄る。

麻「近藤さん、1枚撮っても良いですか?」
近「お?なんだ?ほとがらか??」
麻「ほとがら?写真ですよ。」
近「しゃしん?まぁ、良いぞ!」
麻「ありがとうございます!じゃぁ撮りまーす!笑ってくださーい!」

近藤はニッと歯を見せて笑った。
パシャッ
麻希は撮った写真を姫に送った。


LINE 麻希
姫、ありがとう!

LINE 来弥
ありがとう!!




7の1 姫、八木邸へ
8の1 八木邸、夕食
8の2 屯所、お風呂

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