京都へ行こう

□2 生きてる!
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麻「…ぅ??」

麻希は不自然な振動で目が覚めた。

麻「…私…死んだのかなぁ…」
?「起きたか?」
麻「?」

目を開けると知らない男に担がれていることに気付いた。

麻「!?なにっ!?」
?「もうすぐ屯所に着く。それまで黙っていろ」
麻「とん…しょ?なにそれ…ってか降ろして!!あ!姫っ!来弥っ!!」
?「姫…!?おいっ暴れるな!!」
麻「おーろーせー!!」

そんな問答を繰り返しているうちに、屯所と言われた建物に着いた。

?「お帰りなさい。原田くん。」

麻希を背負っていた男に、眼鏡の男が声を掛けた。
原「山南さん。ただいま。他の奴等は?」
今度は原田と呼ばれた男が眼鏡の男にそう言った。

山「まだ目を覚ましていない」
原「こいつはすぐ起きたのにな?」

そう言って麻希をちらりと見た。
2人の会話にキョトンとしている麻希を抱えたまま、原田は屯所の中を歩き出した。 

奥の方にあった襖の前で原田は止まった。

原「原田佐之助、只今戻りました。」
?「おう。入れ。」

原田佐之助…?どこかで聞いたことがあるような…
麻希が考えている間に原田は襖を開け入って行った。
そして麻希は思考を止めた。

麻「姫っ!来弥っ!!ちょっと!!降ろして!!早く降ろして!!!」
原「ぅおっ!?降ろす!降ろすから暴れるな!!」

原田から飛び降りた麻希が、横になっている姫と来弥の元へ急ぐ。

麻「姫っ!!来弥っ!!」
2人の体をゆさゆさと揺する麻希。
声が掠れて、頬は濡れている。
麻「死なないでぇぇぇ」
そう言うと両手で顔を隠した。

山「死んでませんよ?」

麻希が山南を見た。

山「ほら、息をしている」

視線を2人に戻すとよ確かに胸が上下に動いている。
麻「…息…してる…。」

その時「うーん」と確かに聞こえた。
麻「!!来弥っ!!」
来「麻希?…あ…えっ!?麻希!?」
麻「来弥っ!!良かったぁぁっ!!!」

2人は抱き合った。
来「姫は!?」
麻「まだ…起きなくて…っ」
来「!!姫っ!!起きて!!姫っ!!!」

来弥が姫の体をガクガクと激しく揺らした。

原「!おいっ!そんなに激しく揺らしたら危ないだろ!」

来弥が原田を見た。
来「…デカっ!!姫っ!!デカい男がいる!!起きて!!逃げるよっ!!」
更に激しく姫を揺する。

姫「ぅ…」
来&麻「!!!姫っ!!」
姫「…来弥…やめ…吐きそう…」

来弥が手を離す。
姫「…ぁ?あぁ!?死んだ!?ちょっ、私達死んだ!?」
麻「それが生きてるのよ!」
来「これ…夢?」

改めて3人は周りを見渡した。
広い和室の部屋。
沢山の男。
皆和服を着ている。

姫「何…これ…」
麻「そうだよね…」
来「これじゃぁまるで…時代劇だよ…」


3人は息を止めた。



3 タイムスリップ!?
 

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