京都へ行こう

□1 京都到着
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「ぅおー!!京都〜!!」
「疲れた〜!長かった〜!!」
「ホテル早く行こ〜」

興奮気味に叫んだのは姫。
疲れを口にしたのは来弥。
更に休みたい。と思ったことを口にしたのは麻希だ。

3人は28才。幼馴染みで、仕事の休みを合わせ住んでいる北海道から京都へ旅行に来ていた。


姫「まぁ待ちたまえ。京都と言えば清水寺。」
麻「え?何でその言葉?」
姫「とりあえず清水寺」
来「荷物重いんだけど?」
姫「荷物まとめて無事に過ごせることを祈ろう!」
麻&来「バカでしょ!!」

まぁまぁ。と姫はその場を制した。

姫「ホテルの途中に清水寺があるから、先に参拝して行こうよー!その方が落ち着くって!何かあったら助けてくれそうでしょ!!」

途中なら…と、渋々姫の案に乗った2人。
姫は神社やら寺やら、神仏が好きなのだ。勿論教会等も姫は好きだ。

旅行の計画が出た時、姫が「京都が良い」と言ったので2人は賛成した。
姫には7歳の1人娘がいて、中々自由がきかない。シングルマザーで頑張っている姫を少しでも喜ばせたかった。

その1人娘は夏休みを利用し1週間程姫の妹の家へホームステイへ行ってしまったのだ。
その期間を利用し、3人は京都へ来たのだった。





姫「清水寺ぁぁぁ!!」

清水寺に着くなり叫ぶ。久々の自由に少々興奮しているようだ。

来「あ、ソフトクリーム!食べたい!」
麻「食べる食べる〜!」
姫「じゃぁ荷物見てるから行ってきなよー」
麻「姫も食べる?」
姫「お腹痛くなるからなぁ…でも暑いから食べる(笑)」
来「わかった(笑)待っててねー」
姫「りょうかーい。」

乳製品に弱い姫を荷物番に残し、麻希と来弥はソフトクリームを買いに店に入っていった。
清水の舞台の手摺に寄りかかり、姫は「あっつー…」と口にした。
7月の終わり頃と言えど、北海道ではここまで暑くない。
眩しい太陽。
鮮やかな緑。
沢山の人の声。

自然と顔が笑ってしまう。
姫はこれからの旅行が楽しみで仕方なかった。


麻「ひーめっアイスー!」
来「ただいまー」
姫「おかえりー!ありがとー!」

それぞれが手摺に寄りかかり、暑さと疲れを癒してくれるソフトクリームに、3人は笑みを溢した。

そこへどこからともなく強い風が吹いた。
その瞬間、来弥がバランスを崩し手摺から身を落としかけた。

来「きゃゃぁぁああぁぁっ!?」
麻&姫「来弥っ!!!」

姫が来弥の腕を掴んだ。
麻希は咄嗟に重石代わりにしたであろう荷物に足をかけ、姫の体にしがみつく。


が、またもや吹いた強風に煽られ、来弥の体が大きく揺れる。
その振動が伝わり姫と麻希の体も荷物ごと手摺の外に投げ出された。

「きゃあああぁぁぁぁぁああぁ!!!」


そのまま3人は意識を失った。



2 生きてる!

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