DREAM〜弱ペダ短編〜
□Young sister
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ここは総北高校自転車競技部の部室…のはず。
『…お兄ちゃんたち、だぁれ?』
((この子、誰!?))
ガチャッ
裕「名無し、ここに居たショ。」
『お兄ちゃん!!』
「「お兄ちゃん!?」」
皆の声はきれいに揃った。
裕「紹介するショ。妹の名無しショ。」
『はじめまして!よろしくです!』
巻島の膝の上に座って皆を見上げながらニコニコと挨拶をする名無し。
章「巻島さん、妹おったんか!」
坂「名無しちゃんは何歳なんですか〜?」
『5さい!』
ニコニコと答える名無しに部員全員が「兄とは似ていないんだな」と感じた。
裕「今日は家に誰も居ないし、一人にするのは怖くて連れて来ちまったんショ。」
真「そういうことなら、今日1日名無しを預かろう。皆交代で見ていれば、安心だろう。」
裕「金城…恩に着るっショ!」
迅「にしても名無しは、可愛いな!ホントにお前の妹かよ!」
頭をガシガシされながらも必死で主張する名無し。
『いもうとだよ!』
((クソ…可愛い…///))
ブブブ…
『あ…お兄ちゃん、でんわ…。』
しかし兄達は部活中。今は居ないのだ。
『どうしよ…。』
その時、名無しが間違えてボタンを押してしまった。
尽「もしもし巻ちゃん!」
『わわ…。』
尽「巻ちゃん?」
とりあえず兄の物真似をしてみようと考えた名無し。
『…しょ?』
尽「どうしたのだ巻ちゃん!?そんな可愛らしい声だったのか!?」
『しょ!しょ!』
尽「…待っていろ巻ちゃん。すぐ向かう!」
プツッ…
『…うまくできた!!』
裕「…名無し、東堂から着信があったショ?」
『うん!わたし、がんばってお兄ちゃんのまねしたよ!』
裕「ショオォォ!!」
その時、勢いよく扉が開いた。
尽「巻ちゃ…誰だその娘は!?」
『でんわのお兄ちゃん!!』
尽「…ん?」
巻島は頭を抱えた。
そしてポツリと言った。
裕「…妹の名無しショ。」
尽「巻ちゃん、妹居たのか!?」
東堂も例外なく驚いた。
ストーカーまがいの東堂ですら知らなかった妹の存在。
尽「ん?」
下から服を引っ張られた東堂はしゃがんで名無しと目線を合わせた。
尽「どうした?」
『お兄ちゃん、かっこいいですね!』
尽「!?」
裕「東堂、顔。」
章「鼻血出とる!!」
『お兄ちゃん?』
尽「…尽八と呼んでくれ!」
『…ぱちにい?』
尽「ぶふぉぉぉ!!///」
坂「東堂さぁぁん!!」
巻島名無しは皆の妹です!!