DREAM〜弱ペダ短編〜
□Shall we kiss?
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ここは…どこ?
悠「あ、目を覚ましたんですね。」
『えと…悠人くん…?』
私の髪を撫でるのは新開悠人くん。私の彼氏です。
悠「もー!デート中に熱中症になるなんて…。」
あ…そうだ。さっきまで二人で歩いてたんだ…。
…あれ、私が寝ているこの布団って…。
悠「とりあえずオレの家に連れ帰ってオレのベッドに寝かせたんですけど…って、名無しさん、どうしたの?」
やややっぱり悠人くんの布団でしたか!!///
悠「名無しさん?まだ体調悪いの?」
『あ、大丈夫だよ!///心配してくれてありがとう。』
悠「そ?じゃあちょっとこっちに来てくれませんか?」
そう言って机に向かって何かしていた悠人くんが私を手招きした。
よいしょ、と重い腰を上げた。
『なぁに?それ。』
悠「これは今まで名無しさんと撮った写真を入れてるアルバムなんですけど…あ、あった。」
『これは…この前の体育祭?』
黒田先輩に"借りる!"と言われ、引っ張られた時の写真だ。確か"良くできた後輩"が借り物だったか。
悠「これもだ。」
私がリレーの最後で転んだ時の…って!!
『何でこんな写真撮ってるの!!///』
悠「まぁまぁ。」
ニコニコと笑いながら悠人くんが"じゃあこれは覚えてますか?"と1枚の写真を指差した。
『あ、初デートで行った夏祭りの写真。』
二人で映るために(顔を近付けるのを)頑張って自撮りをしたんだ。かなりぎこちないなぁ。
その写真の近くには、リンゴ雨を持って笑っている私や、新しいお面をつける悠人くんの写真があった。
悠「…これなんて文化祭の写真ですよ。懐かしいですね。」
『…ホントだ。』
これは文化祭のステージで悠人くんに告白された時の写真だ。当時はただの片思いだと思っていた私に、悠人くんは"彼女"という新しい価値をくれた。
『こっちの写真は新開先輩達も写ってるね。』
悠人くんが黒田先輩や真波くんに弄られてる横で、私の肩を掴みながら新開先輩が泣いてるという訳の分からない写真。ちなみに"俺の告白はスルーしたくせに!"と文句を言われた。
悠「隼人くんと同じ人を好きになるなんて…ね。」
『悠人くん…。』
少し自嘲気味に笑う悠人くん。
『…でも!…私は悠人くんが好き…だよ?///』
勇気を出して伝えると、悠人くんは目を見開いて頬を赤く染めた。
悠「…ねぇ、キスして良い?///」
"もー可愛すぎ!///"と良いながら顔を覆う悠人くんの両手を取って私の顔を包むように触れさせた。
『ど、どうぞ…///』
私が目を閉じると同時に、唇に温かいモノが触れた。