DREAM〜弱ペダ短編〜
□Hero
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裕「どうしたッショ?」
心配そうに私の顔を覗き込む巻島先輩。
『何でもないです!』
翌日の朝は、机に落書きがあった。手嶋くんと青八木くんが消すのを手伝ってくれたので、落書きはすぐに消えたが。
純「…この事、いつまで巻島先輩に隠し続けんの?」
『?』
純「部活ん時、巻島先輩から聞かれたんだ。"名無しの様子がおかしいんだが何か知らないか?"って。知らないって答えといたけど。」
『…ありがとね。』
純「…バレるのは時間の問題だぜ?」
『うん…。』
『…どうしよう。お弁当がゴミ箱に…。』
一「!?」
青八木くんが目を見張ってる。
『まぁ何とかなるか。今日六限までだし。』
純「…少しやろうか?」
そう言いながら手嶋くんと青八木くんがお弁当を差し出してくれた。
『大丈夫!心配しないで?』
あー…目眩が…。
ガチャッ
章「名無しセンパーイ、タオル…名無し先輩!?」
私はついに倒れた。
ガチャッ
純「名無し!」
裕「…どうしたッショ…名無し!?」
純「巻島先輩…!」
裕「…手嶋。名無しの様子がおかしい理由、知ってるんショ?…教えてくれ。」
『…!ま、巻島先輩!?』
私は目が覚めたら保健室に居た。
裕「…口、開けろッショ。」
差し出された一口サイズのパンを大人しく食べた。
『…ありがとうございます///』
途端に巻島先輩が悲しげな表情をした。
裕「…何故頼ってくんないショ?俺は、名無しに助けて、と言われたら絶対に助けるッショ。」
真剣な顔でそう言われて、私の瞳からは大粒の涙が零れて頬を伝った。
『…巻島先輩、助けて下さい…!』
一瞬ニヤッ、と巻島先輩が笑った。
裕「了解ッショ!」
そこからというもの、ピタリと嫌がらせは収まった。
『巻島先輩、ありがとうございました。』
裕「…。」
『…嫌がらせの事、言わなかったのは反省してますけど無視は…。』
裕「…キス、名無しからしてくれたら許す事にするッショ///」
『っ…///』
少し屈んでもらって、触れるだけのキスをした。
チュッ
『ありがと、My Hero!///』
裕「どういたしましてッショ、My princess///」
私だって少しでも貴方の支えになれたら嬉しいな。
そう思う昼下がり。