DREAM〜暗殺教室短編〜

□Guilty love
1ページ/5ページ

『お兄ちゃん…。』

学「"お兄ちゃん"?ボクにはお前みたいな出来損ないの妹は居ない。」

そう言ってお兄ちゃんは私を突き飛ばした。

何で…私はただお兄ちゃんに認められたかっただけなのに…。

『お兄ちゃ……いやぁぁぁぁぁあ!!』



業「名無し!!」

『…あ…業…。』

冷や汗をかき、涙を流している私。
ここは…そうだ、私の部屋。
と言っても私の家ではない。

3年生に進級すると同時にE組行きを宣告された私は業に救われた。



業「名無し!」

着の身着のままで駅前に一人立っている私。

電話で一言"業…。"と言っただけなのに業は"…駅前で待ってて。"と言い、すぐ通話は途切れた。

業「!?…ちょっ…何かあったの!?」

彼氏である業はすぐに来てくれた。
泣いたせいで目は真っ赤だし…生きた気がしない。

業「…歩ける?とりあえずウチ来なよ。」

そう言われて私は業と共に業の家に向かう事となった。

そこからはトントン拍子に話が進み、いつの間にか業の家に住まわせて貰う事となっていた。



業「…また"あの日"の夢?」

『かか業…近…っん!///』

業「…彼女にキスするのは普通でしょ?」

私には、私を大切にしてくれる彼氏が居る。
それだけで充分だ。





業「さ、学校に行こうか。」

『うん!』

業に手を差し出され、私はそれを躊躇いなく取った。

ゾクッ
『っ!!』

私は反射的に後ろを見た。

業「どうしたの、名無し?」

誰も居ない。
確かに視線を感じた…それも殺気を含んだ…。

『…ううん。何でもない。』



?「…名無し…。」





カ「おはよう、名無しちゃん!」

『カエデちゃん、おはよう。』

E組の皆とも、仲良しだ。
初めは"浅野"の姓のおかげで苦労したが、私がE組に来た理由を知り、受け入れてくれたのだ。





業「名無し〜、そろそろ帰らないとアニメの放送時間に間に合わないよ?」

『あ!そうだね。またね、殺せんせー!』

殺「えぇ。また明日!」





業「そういえば、名無しが好きなアニメ、映画化したよね?」

『うん!明後日から全国ロードショーだよ。』

業「一緒に観に行かない?で、ついでに他の所も見て回ろ?」

…それってつまり…。

『…デート?///』

業「そうなるね。」

で、行くの行かないのー?と隣で訊いてくる確信犯。

『…行かせて頂きます///』

業「了解。楽しみだね。」

『…うん///』

私は少し照れながら、はにかんだ。

業「…何それ、ズルくない?///」

『んっ…ふぁ……///』

深いキスに心だけでなく、頭まで溶かされそうだ。

これ以上は無いくらいの幸せ。
…あとは堕ちるのみ。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ