DREAM〜暗殺教室短編〜
□Guilty love
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『お兄ちゃん…。』
学「"お兄ちゃん"?ボクにはお前みたいな出来損ないの妹は居ない。」
そう言ってお兄ちゃんは私を突き飛ばした。
何で…私はただお兄ちゃんに認められたかっただけなのに…。
『お兄ちゃ……いやぁぁぁぁぁあ!!』
業「名無し!!」
『…あ…業…。』
冷や汗をかき、涙を流している私。
ここは…そうだ、私の部屋。
と言っても私の家ではない。
3年生に進級すると同時にE組行きを宣告された私は業に救われた。
業「名無し!」
着の身着のままで駅前に一人立っている私。
電話で一言"業…。"と言っただけなのに業は"…駅前で待ってて。"と言い、すぐ通話は途切れた。
業「!?…ちょっ…何かあったの!?」
彼氏である業はすぐに来てくれた。
泣いたせいで目は真っ赤だし…生きた気がしない。
業「…歩ける?とりあえずウチ来なよ。」
そう言われて私は業と共に業の家に向かう事となった。
そこからはトントン拍子に話が進み、いつの間にか業の家に住まわせて貰う事となっていた。
業「…また"あの日"の夢?」
『かか業…近…っん!///』
業「…彼女にキスするのは普通でしょ?」
私には、私を大切にしてくれる彼氏が居る。
それだけで充分だ。
業「さ、学校に行こうか。」
『うん!』
業に手を差し出され、私はそれを躊躇いなく取った。
ゾクッ
『っ!!』
私は反射的に後ろを見た。
業「どうしたの、名無し?」
誰も居ない。
確かに視線を感じた…それも殺気を含んだ…。
『…ううん。何でもない。』
?「…名無し…。」
カ「おはよう、名無しちゃん!」
『カエデちゃん、おはよう。』
E組の皆とも、仲良しだ。
初めは"浅野"の姓のおかげで苦労したが、私がE組に来た理由を知り、受け入れてくれたのだ。
業「名無し〜、そろそろ帰らないとアニメの放送時間に間に合わないよ?」
『あ!そうだね。またね、殺せんせー!』
殺「えぇ。また明日!」
業「そういえば、名無しが好きなアニメ、映画化したよね?」
『うん!明後日から全国ロードショーだよ。』
業「一緒に観に行かない?で、ついでに他の所も見て回ろ?」
…それってつまり…。
『…デート?///』
業「そうなるね。」
で、行くの行かないのー?と隣で訊いてくる確信犯。
『…行かせて頂きます///』
業「了解。楽しみだね。」
『…うん///』
私は少し照れながら、はにかんだ。
業「…何それ、ズルくない?///」
『んっ…ふぁ……///』
深いキスに心だけでなく、頭まで溶かされそうだ。
これ以上は無いくらいの幸せ。
…あとは堕ちるのみ。