DREAM〜暗殺教室短編〜

□nursing
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『…え、何て?』

殺「業くんは風邪でお休みです。」

夏に風邪引くって…。
どうせ夜遅くまでヤンキー釣りをしていたんでしょ。

『…放課後、業の家寄ろう。』





ピンポーン

『お邪魔しまーす…。』



コンコンッ

業「はぁい〜…。」

『業…うわっ!!』

勝手が知れた業の家に上がり、業の部屋の扉を開けた瞬間、何かがのし掛かってきた。

『ちょっと、業、大丈夫!?』

業「ごめ…ドア開けようとしたんだけど…ゴホッ…」

『寝ててよ〜…。』

ふらふら状態の業を支えながらベッドに連れていく。

あ、体熱い…辛いんだろうな…。

『…業、ちょっと待っててね。』

業「…んー…。」

そう業に告げて、一度キッチンへ向かった。

ここに来る途中、色々買ってきて良かった。

バッグの中からスポドリと冷えピタを取り出し、冷蔵庫に入れた。





コンコン

『お待たせ〜。』

業「名無し…。」

『熱、測った?』

業は黙って首を横に振った。

『じゃあ測ろっか。』

業「名無し、大胆…ゴホッ」

『はいはい。これ体温計ね。』

いつもより弱々しいからかい文句をスルーして業に体温計を手渡し、業が熱を測っている間に窓を開ける。換気は大切だからね。

『業、ごはんは?』

業「あ゛ー…朝から何も食べてない。」

『じゃあ何か作ってくるね。』

業「黒焦げは嫌だからね…。」

『何の心配だ。』

有り難みというものは無いのか。





『はい。薄口醤油味のお粥です。』

業を起き上がらせて、お粥とれんげを渡す。

業「…あーん…は?」

『へ!?///』

業「定番でしょ…あー…」

業が口を開いて待機し始めた。
業が頑固なのはよく知っているので、従おう。…決して「あーん」をしたい訳では無い←

業「ん……美味い…///」

力なく照れ笑いをする業。
あ、天使だ←

業がお粥を食べている間に体温計を見てみたら…38℃!?
ハァハァと苦しそうに呼吸する業の姿に、私はもどかしくなった。代わってあげたいよ…。





業はお粥を完食し、「もう寝る。」と言い出した。

『業、薬飲まなきゃ。』

業「ヤダ。俺、薬嫌いだし。」

治す気あるのか、業は。

『業〜…。』

困ったなぁ…。
早く治って欲しいのに…。

…あ、そうだ。

私は業の肩を軽く叩いた。

業「何…?薬なら飲まな…」

口に薬と水を含んだ状態の私が、話し途中の業の言葉を遮った。私の口でね。

業「んぅ!…ふ……は…///」

ゴクリ、と喉を鳴らした事を確認して私は唇を離した。

『…薬、飲めた?///』

業「…バッカじゃないの!?///」

頬をより赤くさせて抗議する業はめちゃくちゃかわいかった。

業「風邪移ったらどうすんの…?///」

自分が辛い状況なのに私の事を心配してくれてたんだ…。

『…それで業の風邪が治るなら構わないけどね///』

業「!!///…名無し、弱ってる時にズルい…///」

『へへ…///ゴメンね?』

業「…もう寝る///」

そう言って布団を被ってしまった業。





一度キッチンに行って、戻ってきてみると業は既に寝ていた。

私は汗を拭いてあげてから冷えピタを貼り、ベッドサイドにスポドリを置いた。

…今日のところは帰ろうかな。










明日、元気な業に会えますように。
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