DREAM〜暗殺教室短編〜
□Body painting
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『業、説明してもらおうか。』
椅子に腰掛けている俺の目の前で、腕を組みながら仁王立ちしているのは、俺の彼女である名無しちゃん。
業「ボディペインティングの事?」
『それは知っている。私が訊きたいのは…なぜ机に突っ伏して寝ている間に、私の左腕に"業 命"と描かれているのか、だ。』
業「俺の腕にも"名無し 命"って描いてもらったよ。」
そう言いながら俺の左腕を名無しちゃんに見せた。
あ、ちょっと目を見開いた。
業「あはは、名無しちゃん喜んでる〜。」
『よ、喜んでなどいない!///』
殺「おや、名無しさんと業くんのボディペインティングは…ヌルフフフ!」
ビュッ
『消えろ!!///』
名無しちゃんが投げたナイフは見事にかわされた。
『…これ、落としてくる。』
業「え〜、落としちゃうの?」
『文句あるか?』
業「…無いけど〜。」
そうして名無しちゃんはボディペインティングを落とす為に廊下に出ていった。
愛「あの…業くんって名無しさんと付き合ってるんですよね?」
訊いてきたのはクラスメートの奥田さん。
業「うん。何で?」
悠「…名無しちゃんって赤羽に対しても無愛想だからさ〜。」
あぁ。そういう事ね。
クスッ
業「名無しちゃん、ツンデレだからね。」
メ「"ツン"は分かるけど…"デレ"?」
皆の頭には"?"が浮かんでいるようだ。
業「名無しちゃーん、帰ろ?」
『あぁ。』
相変わらず無愛想な名無しちゃん。
でもデレ(可愛いところ)、あるんだよね。
業「あ、危ないよ。」
車が凄いスピードで名無しちゃんの横を通りそうだったので、俺の方に肩を引いた。
業「大丈夫?」
『…あ…///』
途端に顔を真っ赤にしていく名無しちゃん。
ほらほら、可愛いでしょ?
名無しちゃんが俺のカーディガンの裾を摘まんで、俺を上目遣いで見つめる。
『…ありがと…///』
業「どういたしまして。」
『…業。』
業「ん〜?……っ!?///」
急に頬に口付けされた。
『…ボディペインティングよりもそっちの方が良いと思うぞ?』
名無しちゃんに手鏡を渡され、見てみる。
業「なっ…んでこんな可愛い事すんの!!///」
口紅を軽く塗ったらしく、キスマークが付いていた。
『仕返し、だ。』
そう言って名無しちゃんはニッ、と笑う。
こんな可愛い名無しちゃんを見られるのは、俺だけの特権、でしょ?
ボディペインティングよりもこっちの方が良いかもしれない、なんて考える俺も大概だけどね。