DREAM〜リボーンシリーズ(雲雀)〜

□お花見
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それは突然だった。

恭「今から花見に行く。10分後に迎えに行くから準備しておいて。」

『え、あ、はい!』



それからぴったり10分後、雲雀は養護施設の出入り口で待つ名無しさんの元へと来た。

恭「それじゃあ行こう…」

「あれー?」

「お兄さん誰ー?」

「名無しさんちゃんのおともだち?」

「ばか!かれしだろ!」

門の所へわらわらと集まって来た子供達。
名無しさんの隣で固まる雲雀。

『ちょっと、皆さん。お兄さんが困っていますから。…すみません、恭弥くん。』

恭「いや…。」

雲雀は子供達に視線を合わせる様にしゃがんだ。

恭「少しだけ、名無しさんを借りて行っても良いかい?」

「えぇー!」

「いやだー!」

駄々をこねる子供達を見て名無しさんは雲雀が咬み殺さないか心配になってきた。

『恭弥くん…。』

名無しさんが、もう良いですから行きましょう、と言いかけて雲雀に右手で制される。

恭「じゃあ僕と名無しさんで今度は君達を花見に連れていく。だから今回は僕と名無しさんが下見に行ってくる、というのはどうだい?」

「まぁそれなら…。」

「約束だよ!」

恭「うん、約束。」

フ、と笑って子供達と指切りをする雲雀に名無しさんはホッとするのと同時に、胸がキュウと苦しくなった。

(やっぱり、私は恭弥くんが好きです。)

恭「さて、行こうか。」

左手を差し出され、名無しさんはギュ、と握った。

『はい!』
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