DREAM〜リボーンシリーズ(雲雀)〜
□バレンタインデー
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「きゃああああ!!」
『今日は一段と騒がしいですね。』
放課後、廊下から聴こえてくる黄色い声に名無しさんはフフフと笑っている。
恭「バレンタインだからでしょ。」
『!?』
勢いよく雲雀の方を振り返った名無しさん。
恭「何?」
訝しげに名無しさんを見た。
『いえ…恭弥くんの口からバレンタインという単語が出るなんて思ってもみなかったので。』
恭「それくらい僕だって知ってるよ。」
『そうですか……恭弥くん?』
恭「早く渡しなよ。」
執務席から雲雀が頬杖をついて名無しさんを見つめる。
『…渡しますけど、こうもあっさりされると悲しいです。』
恭「どうしたってくれるでしょ?」
『そうですけど…。』
スクールバッグからラッピングされた箱を出し、雲雀に渡した。
『ガトーショコラです。』
甘いものが苦手な雲雀の為になるべく甘さ控えめのモノを作るのだが、名無しさんは甘いもの、特にチョコが大好きなのである。
恭「紅茶も準備できてるよ。」
そこで雲雀は名無しさんにケーキを作って来て貰い、一緒に食べる事にした。
4号ほどの大きさなので半分ずつ食べている。
『アッサム茶がよく合うんです!』
雲雀side
恭(本当…甘いものを前にすると幼くなるよね。)
『自分で作った物ですけど、美味しいですね!』
恭「自画自賛しちゃうんだ。」
パク
恭(…美味しい。)
いつまでも君が笑っていられるように、僕が守るから。
『ごちそうさまでした!紅茶、美味しかったです!』
君は変わらず、僕の隣に居なよ。