DREAM〜リボーンシリーズ(フラン)〜
□第一話
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母「おはよう、名無しさん。」
『おはようございます!お母さま!』
父「はは、今日も名無しさんは元気だなぁ。」
名無しさんの家系は代々化学者。
そんな両親の背中を見て育ったので、自然と化学に興味が湧き、将来は両親と一緒に働く、という夢が名無しさんにはあった。
凄く幸せな毎日。
しかし名無しさんの7歳の誕生日に悲劇は起こった。
『お母さま!お父さま!』
朝目が覚めてキッチンに行くと、目の前は血の海。息絶えた父と母の姿があった。
家に侵入してきた輩に殺されたのだ。
あっという間に名無しさんも捕まり"殺される"と覚悟を決めた。
しかし、殺されることはなかった。
両手両足、拘束されてはいるが、無事だ。
『ふ…うぇ……』
「おい、子供はどうする?」
「あぁ?可愛い顔してるし、買い手がつくだろ。」
「売るんすか?」
「そりゃあ、こんな子供が"あの薬"の情報を知ってるとは思えないしな。商品なんだ、丁重に扱えよ。」
見知らぬ場所に監禁されて、両親も殺されて、しかも売られる?
普通の子よりも頭が良い名無しさんには、その言葉の意味が分かった。
胸が焼けるような苦しみ。
(なんでわたしだけが生きてるんだろう…。あのとき、いっしょに殺されていたらよかったのに。)
いつしか生きる気力は無くなっていた。
監禁されて、何日がたったのか検討もつかなかった。
ただ、飲まず食わずで、そう長くは持たないと名無しさんは分かっていた。
ガシャーン!
『…?』
何だか部屋の外が騒がしく複数の足音がバタバタと部屋の前を駆け抜けていった。
やがて、辺りは静まりかえった。
(何だったんだろう…。)
コツ…コツ…
足音が近づいてくる。
ゆっくり…ゆっくり…。
ドカッ!
ドアを蹴破って部屋に入っていたのは、銀の長髪の男。
お気づきだろうが、その男とはスクアーロだ。
(やっとだ…やっと…!)
『わたしを殺してくれるんでしょ…?早く…』
(殺してよ。)
名無しさんはそこで意識を手放した。
ス「う゛ぉぉい!!マジかよ!!記憶を受け取った今、明日にはあのガキを捜しに行かなきゃならねんだぞぉ!!」
(うるさい…)
レ「ボス、いくら何でも…。」
ル「ちょっと!目が覚めたみたいよ!」
目が覚めた私はベッドに横たわっていた。
(ここどこ?あ、天国か。天国ってうるさい所なんだ。)
ス「天国じゃねぇぞ。」
マ「ここはヴァリアー基地さ。」
(ヴァリアー…?聞いた事がある。確かボンゴレの…。)
『私を殺してくれるの?』
ス「お前…殺されてぇのか?」
『うん。』
マ「何故?」
『だって……う゛!!』
吐き気から嗚咽が漏れたと同時にバケツが準備された。
(これがウワサのヴァリアー・クオリティ?)
『…おみぐるしい所をお見せしてしまい、すいませんでした。』
べ「ししっ!7歳の割に随分と大人びてるな、名無しさん。」
(名前…年も…。何で知ってるの?)
ス「…まさか俺らが分からねぇのかぁ?」
『…はい。』
ル「まぁ!…上手く10年後の記憶を受け取れなかったのね。」
『…10年後?』
ス「それは今度ゆっくり話してやる。」
『はい…。』
マ「ところで名無しさん、生存者はキミだけだ。」
ル「名無しさんちゃんの両親とは少し関わりがあってね。名無しさんちゃんの家に行ってみたら…名無しさんちゃんの両親の…、でも名無しさんちゃんが居なくて。探したのよ?」
『何で私だけ、生きてるの?』
そこで今まで口を挟まなかったボスが一言、発した。
X「そんなに死にたきゃ勝手に死ね。だが死ぬのはテメェが唯一の生存者として情報提供が済んだ後だ。」