異世界の放浪者と
□大天使と妖精と龍神
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ふわり、と着地。
『……ここは?』
キラキラとした光が雨の様に降り注ぐ。その光をリヒトは見つめながら訊いてきた。
「光雨(こうう)神社だ。言っとくが、すでに神精霊世界(ファイニア)……神と精霊の世界だからな。」
『わ、わかってるって!』
因みに、いつもなら光雨神社には寄らない。
理由は色々だ。←
「フラン、飛んできたら捕まえとけ」
「はーい」
俺の言葉にフランは頷いた。
リヒトはというと、何のことだかわからない様だった。…まぁ、普通そうだよなぁ。
そう考えながら、境内を見渡す。
他の神々が居るところとは違い(殆どの神達は洋風の造りの建物だ。)、和風の造りになっている。"神社"と名前が付くくらいだから、鳥居もちゃんとある。
…まぁ、ここの神主というか…巫女というか…そいつはかなり洋風な服装だがな…。←
そして妙に変わったヤツでもある。
「……ん!待てぇー!」
なんて考えていると、フランが必死に何かを捕まえようと追いかけていた。
それをリヒトは首を傾げて見ていたが……まぁ、すぐにわかるだろ。うん←
「……?」
ふと、別の気配を感じる。フランが追いかけているアイツとは、また別の……
直後、何かが風を切る音が聞こえ、咄嗟に横に避けた。
さっきまで俺が立っていた所を見ると、クナイが突き刺さっていた。
「…何のつもりだ!」
気配がする所に拳を突き出す。
が。
「病み上がり相手にそれはないでしょう?」
いきなり現れたそいつに片手で受け止められた。…しかも、軽く。
「ルーシェ……」
「久しぶりね、時雨。」
そう言ってそいつは微笑んだ。長い空色と青の髪をハーフアップにした蒼瞳の少女…ルーシェ。
いや、少女ではないな……背中には純白の翼が一対ある…天使。
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