異世界の放浪者と

□"力"――…それは、
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『フラン…!大丈夫か!?』

「……なんとか。まだ痛いけど…」

なんとか合流し、二人はいつ来てもいいように構える。

構えながら、フランはチラッとリヒトを盗み見る。

(何だったんだろう…アレは……)


例の青年に殺される、と覚悟した時、強い"魔力と似た何か"を感じた。

そして…――

――…『落とすのは鉄槌、今此処に光の鉄槌を下さん!《レイディアント・セイバー》!!』


リヒトの術が炸裂し、青年を吹っ飛ばした。

術の詠唱を心の声だけで行い、そしてあの威力の大魔法。


(……うーん…今はいいか…)


多分、あの青年はまた起き上がるだろうとフランは考え、先程の疑問を振り払った。



フランの考えは当たり、青年はゆっくりと起き上がった。

『何なんだよ…アイツは……』

リヒトは引き攣った表情を浮かべ、まるで化け物を見るような目で青年を見た。


「良く分からないけど……目的とかに対する執念のせいとか?」

或いは本当に人間じゃないとか、とフランは考えたが口にはしなかった。

彼はフランの言葉に納得したらしく、頷いた。

『…ワリと正解かも。』

「わぉ。」

少し戯けながらフランは言い、青年を見据える。




「っ………」

腕を痛めたのか、左腕を押さえたまま立ち尽くしていた。


「チャンス、かもね!」


『……ああ!』


そう話しながら二人は同時に跳躍し、青年に近づいた。



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