異世界の放浪者と

□灰色の青年
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「さてと…」

例の神殿近くに到着。そしてすぐに街へ向かった。

「時雨っ…!」

「ついてこい、フラン!」

レディアの予言めいた言葉もあり嫌な予感がする。
フランの腕を掴み俺は走り出した。





街の中は妙な感じがした。なんて言うか…重苦しいって感じ。暗雲が立ちこめているのもあるのか、街の中の人達の活気とかも前に来た時より薄れている気がした。

「…なんだか…暗いね。」

「ああ。」

どこに向かうべきか。なんとなくだが…リリアの所…そんな気がした。

…ぶっちゃけ、リリアの家…アルバニア家の屋敷がどこにあるのかなんて知らん。←
まあ、その辺の通行人とかに聞けばいいだろ…


「―…ッ!?」


ぞわっと悪寒がした。…しかも…かなりヤバそうな…

「時雨…?」

「…こっちだ。」

「え?でもそっちは路地…」

戸惑うフランの腕を引き、路地に入り俺が身を屈めるとフランも同じように屈んだ。

「フラン、結界を張ってくれ。」

「え…いいけど…?」

まだ戸惑いつつも赤い術式…"禁術の結界"を展開させ、俺とフランを結界が包む。

その直後。


…ゴオォッ!!


暴風が吹き、街道にあったもの全てを吹っ飛ばした。

…同時に、赤い液体も飛び散る。

「……!」

ただの暴風じゃない…これは…"鎌鼬"か!?


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