異世界の放浪者と

□忌み子の青年
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「武器を捨てな。そして、洗いざらい話してもらおうか?」
口角があがるのを感じながら"鬼の子"に少しだけ刀を近づけた。
"鬼の子"は頷き、ナイフを手放す。そしてポーチに手を伸ばした。
「おい。何のつもりだ?」
俺がそれを止めようとすると、彼は自分の喉元を指差し、そして口元に指でバツ印を作った。
「え……。」
呆然としているとポーチからメモ帳とペンを取り出し何かを書き始める。
書き終えるとそれを俺に見せてきた。

【オレは声が出せない】

男のわりには丁寧で綺麗な字でそう書かれていた。俺が頷くとまた書き出した。

【ついてきて。もう何もしない。続きは神殿の中で話すから。】

「…わかった。」
そう答えると"鬼の子"も頷き、神殿の方へ歩き出した。俺もさっき彼が捨てたナイフを拾い、あとを追った。





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