異世界の放浪者と
□灰色の青年
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「…行くか。」
転移魔法の術式を展開させ、気配がした所に俺らは転移した。
―――――
転移先・何処かの庭
「よっと。」
「ここは…庭?」
「…みたいだな」
ただ…広さはかなりある。辺りを見渡すと屋敷のような建物が見えた。それと…兵士達の姿。何かを探しているような感じだが…さっきの"鎌鼬"のせいか?
そう考えていると、後ろの方から誰かが叫んでいるのが聞こえた。
「おい!ここで何をしているんだ!?」
「ん?」
振り返ると一人の兵士がこちらに向かってきていたところだった。
お互いの姿が見えるまで近づいてくると兵士が「おや?」と声をあげた。
「シグレさんかい?」
「そうだが……ってアンタだったのか。」
声を掛けてきたのはあの時の兵団長…アルフだ。
「また会えるなんて…ん?そこの娘は?」
「あー…コイツはフランシア。俺の相棒みたいなヤツさ」
「あっ…相棒…!!」
いきなりフランが目を輝かせて俺を見つめてくる。…いや…なんでこんなに期待している感じなんだ?←
すぐにはっとしたのか背筋をピンと伸ばし、アルフを見た。
「はい!そうなのです!わたしは時雨の相棒のフランシアです!」
…心なしか口調変わってないか?しかも興奮ぎみだし。
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