異世界の放浪者と

□"鬼の子"との戦い
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もう来ないよな…?と思ったが、また拳が迫ってくる。
腹部にまた一撃を喰らい、地面に倒れ二、三回転がる。また……不意打ちかよ…


俺が倒れている間に"そいつ"は投げたナイフを拾い上げ、ゆっくりと俺に近づいてきた。その間に俺も起き上がり刀を構える。

「…なあ、アンタは何者だ?"鬼の子"なのか?」
俺が問いかけると"そいつ"は頷いた。が、すぐに俺との間合いを一気に詰めてきた。
その時一瞬だけ、"そいつ"…"鬼の子"と目が合った。
「っと!」
…なんて、考えている暇もなく"鬼の子"のナイフが俺の首筋を狙ってきていたのを身を屈め、刀の柄で"鬼の子"の腹部目掛けて思い切りど突く。

痛みと突然の反撃によろけたスキに一定の距離を保とうと離れる。こちらが術を使おうとしたとたん、魔力でできたナイフが数十本飛んできた。
「チッ!詠唱させる暇すらくれねぇのか!!」
悪態をつきながら魔力でできたナイフを刀で弾き落とす。
詠唱する暇もねえのなら…
刀に魔力を込め、それを一気に降り下ろし、衝撃波(ソニックブーム)を起こす。やっぱり"鬼の子"は衝撃波をかわした。だがそれも計算の内。
先程刀に込めた魔力をさらに込め、術式を展開させる。そして現れた魔方陣に刀を突き刺し、魔力を流し込んだ。
「《天ノ刃(てんのやいば)》!!」

直後、空から幾つもの光の刃が降り注いだ。
「……!」
僅かにだが、"鬼の子"の顔に動揺の色が見えた。
…まあ、それもそうだ。通常の《天ノ刃》と比べれば、圧倒的に光の刃の数が多いからな。ざっと4、5倍くらいか?←



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