異世界の放浪者と

□"鬼の子"との戦い
2ページ/4ページ



数時間後。

「ようやく日が暮れてきた…」
散策も数十分で終わったし、余りまくった時間をどう消費しようかと考えていたら意外と時間は過ぎていった。
日が暮れてきたらその後は一気に暗くなる。松明とかの明かりとか欲しくなるが、それを使ったらすぐにバレるので使わない。…まあ、暗さに目を慣らすには丁度いいだろう。
太陽が沈み、空には星がチラホラと輝き始めた頃、街の方から光がこちらに向かってきているのが見えた。
俺は身を潜め、様子を見る。…おそらく見回りの兵士だろう。数十分位辺りを見渡していたがなにもないとわかると街の方へ戻っていった。
それがだいたい一時間おきに来る。…余程警戒しているのか…?あれじゃ逆に"鬼の子"を刺激してしまう気がするが…

何度目かの見回りが来た時だ。
神殿の方から何か動く気配がした。
(…なんだ……?)
そして…、神殿から誰かが出てきた。
(!)
見回りの兵士達は離れすぎてまだ気づいていないのだろう。"そいつ"は予め持っていた手紙らしきものがついたナイフをそいつらのいる方へ投げた。
投げられたナイフに気づいたのか、松明の火が大きく揺れるのが見え、何かを相談するようにして、街の方へ戻っていく。
戻っていったのを確認すると"そいつ"はナイフを投げた方に向かい、何かを拾い上げた。…多分、ナイフを回収しに行ったのだろう、すぐに戻ってきた。
すぐに神殿に向かって行く…と思ったらいきなり俺のいる方を向き、さっき拾ったナイフを投げつけてきた!
「ッ!!」
咄嗟にかわす、が目の前には"そいつ"の拳が迫っていた。
「ぐっ…!?」
モロにそれを喰らい、倒れそうになるが何とか踏みとどまった。……不意打ちかよ…



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ