火之迦具土神
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「大将にしっかり掴まっててね〜」
「はい」
「…そっちじゃないよ」
初めて馬とゆう生き物に乗った。
捕まれと言われて捕まったらそれは馬の首だと言われてしまった
「大将のここ、つかんでね」
佐助に手を引かれて幸村のお腹に触る
「硬い……」
初めて人のお腹を触る感触が珍しくて撫でていると佐助は笑い出した
「か…かかかかカグツチ殿っ」
「…?」
「はいはい、こうやってつかんでね。ぎゅってしないと落ちちゃうからね〜」
幸村の腰に腕を回すように促され、力を込めると幸村は少し大きな声で話し出す
「か、カグツチ殿!!某お、落とさぬよう気をつけて…は、ははは走らせるでごごごごござる!!」
馬が走り出すと赤い髪が風に靡く
元親は無事かな…
空が少し明るくなってくる頃、武田の城へ着く
「カグツチ殿、着いたでござる」
馬から下ろされ、幸村に手を引かれて一室に連れていかれた
「元親は…?」
言葉を詰まらせる幸村の手から感じ取れるのは後悔。
「何を後悔してるの?」
「…っ…解るでござるか…?」
「手繋いだり触れられてるとなんとなく…」
「長宗我部殿は…まだ会えないでござる」
「そんなに大変なの…」
とりあえずここに居てくれ、と伝え幸村は出ていってしまった
「…元親」