ugly duck

□06
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許しを貰い幸村の部屋へ行けば赤い羽織を肩に掛けて縁側に座る桜が居る

「桜…」

杏の声に驚いたように振り向くと眼があった瞬間涙が溢れる

「杏!!」

掛けよって抱きついてくる。
今まででは考えられなかった光景だ

「杏…ごめんね…ごめんね……」

「鼻水!鼻水!!」

桜は助かった経緯を聞いたらしく、今までいじめていたのに身を呈して守ったことに本当に感謝している様だ

「あたしが…ワガママだったから」

「あんたはずっと耐えてたんでしょ?話聞けなかったあたしも悪いよ。
…一番悪いのはうちの父親か…」

「…あたしの母親もね」

二人は顔を見合せ笑う

「…あたし…杏のこと友達って思っていい…?」

「…もう中学から昨日までの間は無しだね。小さい時からやり直そっか」

「…?」

「近所の公園に書いたの忘れた?あたし達親友…でしょ」

「杏…」

子供の頃から時間が動き出した感じがした

「…で。幸村さんとどーするの?」

「いやー…それがね…」

これは秘密のgirls talk…









「杏ちゃ〜ん。もう帰っちゃうの?」

「うん。色々ありがとうね」

「桜ちゃんとの文、頼んでくれれば俺様責任持って届けるからね」

「ありがと」


「杏殿!!桜殿から全て聞き申した!!誤解してしまい申し訳ござらん!!」

「終わったことなんでいいですよ。気にしないでください」

「そ…その心の広さ!!某感動いたした!!」


「杏…」

「桜、手紙ちょうだいね。あの話の続きも」

「そうだね。結婚おめでとう」

「ありがと。こっちも楽しみにしてるね」


「杏ちゃん…今までありがとう」

「宮ちゃん…!こっちこそ宮ちゃんが居てくれて本当に助かったよ。ありがとう」


お世話になった侍女や女中に手を振り、政宗と後藤黒に揺られて武田を後にする

「今日はゆっくりなん…」

だね、と言おうとすると舌を噛みそうなくらいもうスピードで駆け出す

やっぱり変わってない!!

「政宗さ……早…」

「Ha!帰ったら輿入れだ!!ちまちま帰ってられるか!!」

死ぬ……………
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